研究では、「自己認識の深さと、達成レベルは比例する」

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■人生をよくすることが目的。仕事でのゴールは手段。
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ゴールには2種類あります。

1つは、「プッシュ型」。
プッシュとは、「押す」という意味ですが、自分を一生懸命押し出して動かそうとします。

「やらなきゃまずいぞ！」「こんなのもできなきゃ社会人失格だぞ！」
「こんなことさえできなければあいつには負けっぱなしだぞ」のように、
自分を追い立て、目指すゴールです。

自分が目指しているゴールなのにも関わらず、
本人は「これをしなきゃいけない」と義務感や焦りがあります。

もう1つは「プル型」。
プルとは、引っ張るという意味ですが、誰かが引っ張るのではなく、
自分が掲げたゴールが魅力的だから思わずゴールに引っ張られてしまうというタイプです。

ゴールデンウィークの旅行や、連休で行きたい所や、SALEで買いたいものなど、
思わず、気づいたら、調べごとや予約をしてしまっているようなもの。

自分が近づきたいと自然と思えるものです。

「ゴール」という考え方は、多くの人にとっては「プッシュ型」の世界しか知りません。
そのため「ゴールを立てよう」と聞くだけで、焦りや大変だったことを思い出してナーバスになります。

しかし、高いレベルの実績を出しているハイパフォーマーの人たちにとっては、
ゴールとは、「プル型」のものを言います。
自然と近づきたくなるものを、掲げるのです。
誰に強制されているのでもなく、自分の過ごしたい人生に引き寄せられているのです。

プル型のゴールを設定するためには、どうしたらいいのでしょうか？

研究では、「自己認識の深さと、達成レベルは比例する」そうです。

つまり、自分のことをどれだけ理解しているかという深さが、
どこまで達成できるかを決めていくということです。

特に大事になるのは、
「あなたが大切にしたいもの」という価値観です。

プッシュ型のゴールになるか、
プル型のゴールになるか、

それを大きく分けるのは、「あなたの大切にしたいものを満たしているか否か」です。

大切にしたいものを満たせていれば、プル型になるし、
自分の大切にしたいものがそこになければ、プッシュ型になります。

あなたは何を大切にしたいでしょうか？

また、プル型のゴール設定をしていく上でとても大事になるのは、
仕事ではなく、「　あなたが人生で望むものをはっきりさせる　」ということです。

多くの人がゴールを立てるときは、
仕事やダイエットや語学学習などがメインであることが多いですが、
仕事も減量も語学力も、全ては「人生をより良くするための手段」にしか過ぎません。

人生で望むものがあり、それを叶える手段として仕事があります。
「人生で望むもの」と「仕事で掲げるゴール」が繋がっている人が、
「プル型」のゴールを立てられます。

「こういう人生にしたい」「こういう人生が私は良い！」という想い・目的が明確なのです。

仕事のノルマなど、「これは会社のために達成しなきゃいけない」
「これは上司の期待に応えるためにやらなきゃいけない」などのように、
「自分が人生で望んでいること」と繋がっていない場合は、とてもパワーが落ちてしまいます。

2020年も残り5ヶ月ですから、
今一度「理想の人生」とそれに近づける「ゴール」を考えてみましょう。

考えてみましょう、と言いましたが、
「THINK」「FEEL」「DO」という3つの視点で考えてみることをお勧めします。

1つ目は「THINK」。
これはいわゆるみんながイメージする「考える」です。
紙の上で、ペンを走らせながら、どんな人生にしたいかを考えるのです。

2つ目は「FEEL」。
これは直感をもっと働かせるのです。
現実的かどうかではなく、“やりたい““やってみたい““こんなふうにしたい“
というあなたの気持ちが求めるものに耳を傾けるのです。

3つ目は「DO」。
これは「やってみる」ということ。
候補が色々あるなら、やれる範囲でやってみて、どう感じるのかを観察してしましょう。

多くの人が想定しているのとは異なり、
偉人や達人たちの人生は、直線ではなく、迂回路ばかりです。

真っ直ぐになりたいものになれるということはなく、
様々な経験や出来事を経て、人は自分がどうしたいのかを知っていきます。

社会は、ミスをしたら批判し、非難する風潮がありますが、
残念ながら、人生というのは、選択の連続です。
間違わない選択をし続けることなど、誰にもできないのです。
誰だって間違う。だから間違ったとしても、あなただけではないのです。

私たちは、様々な思考・直感・体験を通じて、
自分がどういう人間かを知り、どういうことをしたいのかを少しずつわかっていくのです。

人生は、自分を見つける旅ではありません。
どこかに自分がいるはずだ、なんて思わなくていいのです。

人生は、自分をつくり続ける旅です。
去年とは違う、今年の自分をつくること。
昨日とは違う、今日の自分をつくること。

そうしたことの連続で、私たちは充実感や幸せを得ることができるのです。
さて、8月。あなたはどんな自分をつくりますか？

少しでもヒントになったら幸いです。

池田貴将