@産経新聞(R2.5.8)

 

井上将勝 県議会議員の疑惑について報道がなされ、同じ選挙区である私へも問い合わせや誹謗、中傷が続いています。

 

この件に関しては、先日の当ブログにて「全くいい迷惑!」との投稿をさせて頂きました。

 

しかしながら、よくよくご意見やご指摘を伺っていると、私にも当該案件に関する責任があると感じているところであります。それは、同じ選挙区であるからこそ、「彼が見沼区に居住していない!」と、彼が議員になる頃から現在に至るまで、指摘を受けていたにも関わらず、見過ごしてきたことへの責任であります。

 

これまでは、私が当該案件を話題にすることについて、選挙を戦っている当事者としての負い目を感じており、問題にすることはありませんでした。しかしなから、今回の報道を受け、様々なご意見やご指摘を受け、私自身と埼玉県議会のガバナンスを問われる問題であることを重く感じた次第です。

 

今回の問題点を整理すると、①資産報告義務違反と②居住実態についてであります。県議会議員が県外に財産を取得していたことではありません。

 

では、順に考察して行きたいと思います。①については、本人が認めている通り、明確な資産報告違反であります。本人は錯誤であったと謝罪していますが、錯誤とは言えないでしょう。不動産登記において、本人の意思を確認しないで司法書士が登記を行ったとしたら司法書士法違反であり、この案件に係った司法書士は罰せられることになります。通常、常識の範囲で考えると、「本人が意図的に資産報告をしなかった」と考えるのが当然であります。しかも、登記簿を確認すると、彼は平成24年に当該マンションを購入し、その時に登記をしていますが、平成28年に借り換えを行っており、その時にも当然登記を変更しています。当該資産に対し、2回も登記を行っているのです。彼は某有名大学法学部出身。私のように通信制大学出身の政治家でも資産報告の趣旨に照らし、資産報告の重要性は把握しています。意図的に、資産報告を行わなかったことが明白であります。

 

それでは何故、資産報告を怠ったのか…。それは、都内に住居を構えていることが明るみに出ることを危惧しての行動だと推察できます。政治家の資産報告は、住所等明確に公表されるのです。彼の資産報告の訂正された物件は、世田谷区上馬のマンションでした。しかも、彼の実家は世田谷区下馬であります。私は偶然ながら、大宮に父が家を購入する前、父の会社の社宅に住んでおり、小学校2年生まで世田谷区下馬に居ました。そこで、彼と下馬の話題をしたことがあるのです。そして報道された当初、議会事務局の問いに、「実家がマンションの近くにあり、父が持っている物件だと思う」と回答しているのです(後に変遷しますが…)。このことからも、資産報告を故意に怠ったことが伺えるのです。

 

続いて、②居住実態についてであります。国会議員や首長と違って、地方議員は当該行政範囲に居住要件を満たしていなければなりません。公職選挙法10条1項3号では、「その選挙権を有する者で年齢満25年以上のもの」が市町村の議会の議員について被選挙権を有すると定めており、さらに同法9条2項、3項、4項において、日本国民たる年齢満18年以上の者で引き続き3箇月以上市町村の区域内に住所を有する者」が地方公共団体の議会の議員および長の選挙権を有すると規定しています。つまり、埼玉県議会議員は、埼玉県内に居住要件を満たさなければなりません。

では、「住所を有する(居住要件)」とは、どう言うことなのか…。この点について、転出をめぐる被選挙権を争った平成9年8月25日最高裁判決は「生活の本拠、すなわち、その者の生活に最も関係の深い一般的生活、全生活の中心を指すものであり、一定の場所がある者の住所であるか否かは、客観的に生活の本拠たる実体を具備しているか否かにより決すべきものと解するのが相当である」と判示しています。つまり、生活実態があるか否かなのです。これまでの被選挙権を争う裁判等では、生活実態の証明として電気使用量や水道使用量、ガス使用量等の公共料金の使用実績が求まられました。しかしながら、井上将勝氏は従前より「水道は垂れ流し、電気はつけっぱなし」にすれば当該要件をクリアできると周りに豪語していたようです。確かに、公共料金の使用実績だけを捉えると、要件をクリア出来てしまいます。よって、公共料金の使用実績が明確な居住要件にはなり得ないことを指摘しておきたいと思います。しかしながら、井上氏は当該案件で突然のマスコミ報道での追及となったことから、弁明に追われており「妻の体調が優れないため、この数か月はほぼ東京の家にいた」と弁明しています。この数か月の見沼区の住居の公共料金の使用実績が、それ以前とのものと比べて遜色なかった場合、逆に偽装工作していたことが明確に立証されることとなります。また、本日の産経新聞報道によると、カードの利用明細から従前より頻繁に当該マンション近くのインターチェンジから、埼玉県内に行き来していることが示されました。カード利用明細という個人的なものが入手された経緯については疑問が持たれるところですが、住居の中心が都内マンションであったことの明確な証拠となります。よって、井上氏の居住実態は見沼区には無いと言えるものと明言します。

 

 

 

本日、井上氏は自身のFacebookにて、当該報道に対する説明を行いました。これまで、議会事務局によるもの、マスコミ会見によるもの、そして上記Facebookによる説明がなされています。

 

資産報告に関するものと、居住要件にかんすることについては記載させて頂きました。この他に、彼は③政務活動費の充当について、④別居婚であるということの是非について触れています。全て嘘です。以下、明確にしていきます。

 

③政務活動費の充当については「2019年10月に事務所を借り、現在、事務所については内装工事中です。事務所に使用実績がない状況で政務活動費を充当していたということは一切なく、…」と述べていますが、令和元年度分政務活動費報告において「民主フォーラム」から当該案件の政務活動費が計上されていました。マスコミの報道を受け、先日「民主フォーラム」が当該案件分の政務活動費の取り下げを行ったに過ぎません。政務活動費の公開については、書類の整理等が整うまで3か月程要すため、只単に修正が可能だっただけに過ぎません。よって、彼が当該事務所費を充当していたということは一切ないことは無いと断言しておきます。

 

④別居婚であるということの是非については、確かに多様性のある現在社会において、夫婦それぞれの立場や地位等によって別居してお互いの家を行き来する生活というものが重要であることは認めます。しかしながら、彼は多様性の社会構図の中「別居婚」というものを地方議員の居住要件に利用しているに過ぎません。「不妊治療」も然りです。そして、奥様の産後の体調不良(産後鬱)を東京中心生活の理由としていますが、奥様が産後鬱ではないことは彼女のInstagramを拝見すれば一目瞭然であります(しかし、本日彼女のInstagramは何故が非公開になってしまいました)。つまり、彼は今日の日本社会における課題を利用した確信犯なのであります。

 

私が、今回井上氏の問題に切り込んだのは、先に触れましたが当該案件を見過ごしてきた責任と県議会のガバナンスを守るためであります。今回の案件で1番苦しんでいるのは、当の本人であると思います。そして、このような政治家の根本に触れる問題は、当事者が決断すべきものだと思います。当事者が決断出来ないのであれば、会派、そして、彼は政党所属議員ですので政党が調査し決着しなければならないものと思います。これらが機能しな場合、所属議会として県民に状況を説明していくためにも、調査委員会を設けて、地方自治法100条の権限を付与し、真相究明を果たしていかなければと思います。そうなる前に、嘘を嘘で塗り固めた自身を反省し、自分で決着してくれることを切に願います!