駆け出しの頃 | 今という神様からの贈り物

駆け出しの頃

13年前に、、、



初めて自分が「等価交換」という事業で

行ったマンションが完成しました。





12階建て総戸数43戸と決して大きな

規模ではありませんが、多くの思い出

があり、私自身大変勉強をさせてもら

ったマンションの一つです。




もともとこのマンションが建つ前、この

場所は地元で愛される古い中華屋さ

んでした。



簡単に言うと、その中華屋さんを営む

夫婦から土地を譲ってもらい、マン

ションを建てさせてもらったのです。



マンションは13年前に完成しましたが

地権者さんである夫婦と話しがスタ

ートしたのは、それよりも3~4年くらい

前です。





当時、私は22歳前後。



最初の半年くらいは、週に2~3回、この

ご夫婦のご自宅に伺わせて頂き、他愛な

い話から本題である不動産のことなどを

話しさせていただきました。



当時私は、マンションをただひたすら売っ

てきた経験しかなく、知識も経験も無いた

だの若造でした。



ちょうどその頃、平行して進めていた自身

初の地上げ案件が全て(地権者さんが)無

事にまとまり、一部高級賃貸マンションが

建っていたので、その立ち退き業務も自分

で自ら行っていって、全てが完了したのち

マンションの新築工事へ突入することがで

きました。





このマンションこそが自分で一から手掛

けたマンション事業の第一弾であり、自

分自身で仕上げた初物件です。



ファミリーマンション63戸 売上で35

くらいの規模なんで、1つのプロジェクト

としてはそこそこの規模です。



この時期に、等価交換、地上げ、立ち退

き、近隣住民との調整という不動産業と

しての一番本質的であり、最も重要なス

キルや経験を身につけました。



こういう本質的な仕事って、ただマンショ

ンや戸建を販売してるのとは全然勝手も

違い、とにもかくにも焦りまくりでした。



地主さんは代々培った不動産知識が豊

富にある方が多く、しかも自分達の資産

を守るために色んな知識や人脈をを持っ

てる方も多い。



そんな中、知識や経験の浅い若造が口

先だけの話しや販売で身に付けただけ

のセールストークとかを使って話しても

通用するわけがありません。


知識や経験を持って本気でぶつかり合

うということもそうですが、そもそも、マン

ションや戸建の販売(営業)と最も大きく

違うポイントは責任とプレッシャーの度合

いが大きく違うということです。



販売(営業)の場合、仮にその商談がま

とまらなくても、次に検討してくれるお客

様を探すことができます。



が・・・



等価交換、地上げ、立ち退き、近隣住民

との調整の場合、1つ失敗したりボタンを

掛け違えるとてが終わってしまうのです。



今まで、そんな仕事をしたことがありませ

んでした・・・。



次がない......大きな投資額を投入していき

失敗が許されない....失敗は倒産を意味す

るし......そのことを考えると物凄いプレッシ

ャーと不安がずっと付きまとっていました。



その当時、物凄く勉強になったことの一つ

「ありのままの自分で勝負すること」

いうことを覚えたのです。






エンドユーザー様に販売ばかりをやって

た頃の自分は、正直、相手に自分を良く

見せるために必死でした。



販売しかしたことがないので、それに関

する知識しかないくせに、不動産のこと

なら何でもできる風に見せていた気がし

ます。



正直・・・



長年販売だけをしていた人間は、

ない仕事でも、自分で直接やったことが

無い仕事でも平気な顔して無責任に仕

事を引き受けてしまう人間が多いです。



例えば・・・



投資不動産ばかりを売ってきた経験だ

しかないくせに、知り合いや顧客から

ファミリーマンションや戸建の購入の相

談を受ける。



本人も戸建やマンション自体のことをよ

く分かっていないのに、平気な顔して引

き受けてしまう。



結果、たいした物件情報なんて入るわ

けも無いので、ネットで適当に引っ張っ

たようなたいした物件ではないものを

相場以上で売ってしまう。



当然、一般的な金融機関の付き合いも

そんな無いので、不利な条件でローン

斡旋をしてしまう..........等々はよく聞く

です。



逆もしかりですが。



(長年営業マンだった人の多くは、同じ業

界内の専門業者へ仕事を投げれば済む

話なのに、そうはしない人が多いです......

正直、他者との付き合いもそんなにない

ので)



それも結局、大きな見栄の一つなのです

が......自分も過去はそういう状態だったの

ですが、そんなダメな自分を大きく変える

きっかけになりました。



等価交換、地上げ、立ち退き、近隣住民

の調整って、正直、そんな甘い世界ではあ

りません。



一過性だったり、口先だけだったり、適当

レベルで話すとかなり大きなリスクになり

ます。



だって、知識ある方が多いし、社会常識

ある方が多いし、場合によっては代理人

を立てながら議事録も音声も記録してる

中で、長い時間と月日をかけて話し込

でいく訳ですから。



さすがに、ありのままの自分で勝負する

って言っても・・・



「皆さ~ん、知識と経験の無い中島です!

よろしこ♪」



なんて言ってたら絶望的な状況となるため

とにかく不動産のことや六法全書や不動産

に関する裁判議事録集などを読み漁り、本

当の意味で実務の勉強をしました。



数は少ない(つもりですけど)失敗もしまし

た。



地権者さんや近隣住民の方に怒鳴られまく

ったこともあります。



港区のある近隣説明会では、怒り狂った住

民の方がズカズカ前に出てきて胸ぐら掴ま

れて殴られたこともあります。



地上げや立ち退きやってる時は、マンガか

ドラマか?と思うような一般的には怖い目

に遭遇したこともあります。


※刑事事件になったので詳細は省きます。



数々の現場で色んな経験や勉強をさせて

もらい今日に至ります。



今朝は、そんな若造だった頃の自分が初

めて等価交換をやらせてもらった時の地権

者様と久しぶりにお会いしました。




もう87歳のおばあちゃんです・・・



ご主人様は、1年半前に他界されてしま

ました。



ふと、昔作ってもらったチャーハンとラー

メンが懐かしく、食べたかったのですが

やはり、ご主人様でないと作れないと言

われました(涙)



その後、いくつか不動産を購入してもら

ったり任せてもらったりもして今でも良い

お付き合いをさせてもらっております。



お母さん、写真撮るなら化粧してくるって

言ってました(笑



いつまでもお元気で♪





エントランス前でもパシャリ(笑)




2016.09.28 ♯1035