今日の言葉 -179ページ目

病ませない No.1551


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たとえ身に病あれど

心まで病ませない。

たとえ運命に非なるものあれど

心まで病ませない。


中村 天風

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中村氏の著書「君に成功を送る」よりお届けします。

天風氏は太平洋戦争中、満州において過酷な状況でも

病気ひとつしなかったにも関わらず、

戦後日本に戻ってきてから病に臥せることになりました。

その病気を治すためもありインドへ行かれたときに、

インドの老師から言われた言葉だそうです。


そもそも大病を患ったことには原因があり、

それは過去の悪い行いが災いしているとも言われたそうですが、

かといって肉体が病気になったそのこと自体で、

自分の心まで病にかかったと思う必要がない、

心自体は病気になっていないことに気づかされたとのことでした。


「病は気から」とも言いますが、

病気にかかったときには覚えておきたい言葉です。

二度とない人生 No.1550


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一日の予定を完了しないで

明日に残して寝るということは


畢竟(ひっきょう=つまり)人生の最後においても

多くの思いを残して死ぬということです。


森 信三

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今日11月21日は偉大なる教育者森先生の命日。

改めてその言葉に触れると身が引き締まる思いがします。


『例外をつくったらだめですぞ。

今日はまあ疲れているからとか、

夕べはどうも睡眠不足だったとか考えたら

もうだめなんだ。』


『人間はおっくうがる心を刻々に切り捨てねばならぬ。

そして齢をとるほどそれが凄まじくならねばなるまい。

いつまで甘え心を捨てえないのですか。』


『この二度とない人生を

いったいどのように生きようというのですか。』


森先生は常に、教育者として生徒を指導するにあたっての

教える側の厳しい心構えと、

日々真剣に生きることの大切さを説かれていました。

それはそのまま、どんな職業の人にも当てはまるでしょう。

乞食と天使 No.1549


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いつもよく働く靴屋のもとへ、あるとき、天使が現われました。

乞食の姿になって・・・。 


靴屋は乞食の姿を見ると、うんざりしたように言いました。

「おまえが何をしにきたかわかるさ。

しかしね、私は朝から晩まで働いているのに、

家族を養っていく金にも困っている身分だ。

ワシは何も持ってないよ。

ワシの持っているものは二束三文のガラクタばかりだ」

そして、嘆くように、こうつぶやくのでした。

「みんなそうだ、こんなワシに何かをくれ、くれと言う。

そして、いままで、ワシに何かをくれた人など、いやしない・・」

乞食は、その言葉を聞くと答えました。

「じゃあ、わたしがあなたに何かをあげましょう。

お金にこまっているのならお金をあげましょうか。

いくらほしいのですか。言ってください」



靴屋は、面白いジョークだと思い、笑って答えました。

「ああ、そうだね。じゃ、100万円くれるかい」

「そうですか、では、100万円差し上げましょう。

ただし、条件が1つあります。

100万円の代わりにあなたの足をわたしにください」

「何!? 冗談じゃない!

この足がなければ、立つことも歩くこともできやしないんだ。

やなこった、たった100万円で足を売れるもんか」

「わかりました。では、1,000万円あげます。

ただし、条件が1つあります。

1,000万円の代わりに、あなたの腕をわたしにください」

「1,000万円・・・!?

この右腕がなければ、仕事もできなくなるし、

可愛い子どもたちの頭もなでてやれなくなる。

つまらんことを言うな。

1,000万円で、この腕を売れるか!」

「そうですか、じゃあ、1億円あげましょう。

その代わり、あなたの目をください」

「1億円・・・!?

この目がなければ、この世界の素晴らしい景色も、

女房や子どもたちの顔も見ることができなくなる。

駄目だ、駄目だ、1億円でこの目が売れるか!」


すると、乞食は言いました。

「そうですか。

あなたはさっき、何も持っていないと言ってましたけれど、

本当は、お金には代えられない価値あるものを

いくつも持っているんですね。

しかも、それらは全部もらったものでしょう・・・」

靴屋は何も答えることができず、

しばらく目を閉じ、考えこみました。

そして、深くうなずくと、

心にあたたかな風が吹いたように感じました。

乞食の姿は、どこにもありませんでした。


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感謝を忘れた時に、不満の気持ちが先行してしまいます。

幸せとはすでに持っているもの、与えられているものの価値に

気付くことから始まるのです。

25ヶ条 No.1548


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1) 笑顔がない 

2) お礼を言わない。

3) おいしいと言わない。 

4) 精気がない。

5) 自信がない。

6) 愚痴をこぼす。 

7) 希望や信念がない。 

8) いつも周囲が悪いと思っている。 

9) 自分がブスであることを知らない。 

10) 声が小さくいじけている。

11) なんでもないことに傷つく。 

12) 他人に嫉妬する。

13) 目が輝いていない。 

14) いつも口がへの字の形をしている。 

15) 責任転嫁がうまい。

16) 他人をうらやむ。

17) 悲観的に物事を考える。 

18) 問題意識を持っていない。 

19) 他人につくさない。

20) 他人を信じない。

21) 人生においても仕事においても意欲がない。 

22) 謙虚さがなく傲慢である。

23) 人のアドバイスや忠告を受け入れない。 

24) 自分がもっとも正しいと信じ込んでいる。 

25) 存在自体が周囲を暗くする。

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これは宝塚歌劇団の稽古場の壁にかつて書かれていて、

そして今は消されてもうない

「ブスの25ヶ条」だそうです。

かの宝塚でブスと言い切ってしまうのですから、

これは見た目ではないということでしょう。


そしてこれはそのまま男性にも当てはまります。

だから「ブス・醜男の25ヶ条」と呼んだ方が良いくらいです。


誰もがどれかには当てはまったのではないでしょうか。


自分の口から出る言葉、自分が発する雰囲気に

意識的になることが大事ですね。

克己 No.1547


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負けてはならない相手は

自分だけ


福島 正伸

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年初に立てた目標はどの程度実行できているでしょうか。

自分との戦いの場合、言い訳を聞くのも、

成果を得るのも自分自身でしかない。

自分を認めて愛することと、自分を甘やかすことは別物。


元京都大学総長の平澤興氏の言葉には、

『努力することの本当の意味は

人に勝つということではなく、

天から与えられた能力を

どこまで発揮させるかにある』

とあります。


せっかくの才能を開花させなければもったいない。

その才能は厳しい状況を切り抜ければ抜けるほど、

花開いていくものです。


ピンチよ、ありがとう。

舞台 No.1546


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人生は一場の芝居だというが、

芝居と違う点が大きくある。

芝居の役者の場合は、

舞台は他人が作ってくれる。

なまの人生は、

自分で自分のがらに適う舞台をこつこつ作って、

そのうえで芝居をするのだ。

他人が舞台を作ってくれやせぬ。


坂本 龍馬

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今日は坂本龍馬の誕生日であり、命日です。

わずか150年ほど前の日本で活躍した龍馬。

このときは江戸幕府があったものの、

各国はまだ諸藩に分かれ、他藩への行き来は自由ではなかったころ。

その当時に「日本人」という概念を持っていた龍馬のスケール。

今朝の言葉のように、自らの主人公意識、当事者意識を強く持ち、

『偏見を持つな。

相手が幕臣であろうと乞食であろうと、

教えを受けるべき人間なら俺は受けるわい。』


『万事、見にゃわからん。』

といった素直さと人に惑わされない強さを持っていたことも

彼が活躍出来た一因だったのでしょう。


『人として生まれたからには、

太平洋のように、

でっかい夢を持つべきだ。』

という龍馬の言葉にも勇気づけられます。


来年は没後150年に当たる年だから、

また龍馬ブームが静かに再燃するかもしれませんね。

菩薩 No.1545


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「誰かが始めたらやるんだが・・・」

という気持ちは誰でも持っています。


その「最初の一人」になることを、

仏教用語で「菩薩になる」と言います。


松原 泰道

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仏教でも教えがあるほどですから、

昔からその大事さと難しさが説かれているのでしょう。

英語だと、自ら進んで志願する人を「Volunteer」と言いますね。

でも「菩薩」と言われた方が、「やってみたい!」と思えませんか?


最初のやると失敗もあるかもしれませんが、

実際に経験できる、成功したら圧倒的な先行者利益を得られる、

という点でメリットも多いでしょう。


さあ、一歩を踏み出しましょう。

松明 No.1544


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松明(たいまつ)に対して為(な)さるべきただ一つのことは、

火を点ずるということだけであります。


松明に火を点ずるに必要なことは唯(ただ)一つであります。

それは、こちらも自分の松明に火を点じているということであります。


森 信三

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森先生は松明に火を点けることを二つの意味で使われています。

一つは人間一人びとりが本来持っている、

立志すなわち求道心を開花させること。

二つ目は、その求道心を持って周りを照らすこと。


マッチで大きな松明に火を点けることは困難であるから、

教える立場にある人、伝える立場にある人は、

同様に松明の大きさの火を燃やしていなければならない。

さらには教えて威張っているのではなく、

教えながらもその相手からも学ぶ姿勢を忘れてはならない、

とも説かれています。

己を修めて然(しか)る後(のち)人を治める、

『修己治人』ですと。

責任の取り方 No.1543


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表彰式を客席から見ながら思いました。

私はコーチとしてこの子たちをとことん追い込んだ。

追い込んだことへの責任の取り方は、

メダルを取らせることなんだと。


井村 雅代

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『戦う集団にしようと思ったら、

足を引っ張ってる人に

「あなたが悪い」ってハッキリ言うこと。

それは虐(いじ)めじゃなくて、いいものをつくるための原因究明です。』

優秀な選手であっても、失敗した他の選手を指摘することはしたくない。

なぜなら「自分も失敗するから」と。

「チームがバラバラになるのが怖い」と言ってきた選手には

『絶対にならないって。だって最終目標は一緒なんだから』

そんな想いで指導に当たられている井村コーチ。

点数が出て結果が待つ間は本当にドキドキだったことでしょう。

何のための厳しい指導なのか。

それを自らに課しているのですね。


リーダーシップの真髄を感じずには得られません。

リーダーシップとは人気でも尊敬でもなく、

フォロワーが正しい結果を出せるかどうかですね。

ごまかさない No.1542


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負けても

「精いっぱいやったから、それでいいじゃないの」っていう

言葉にごまかされてきたんです。

今の日本に充満している言葉ですけどね。


井村 雅代

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シンクロナイズスイミング日本代表ヘッドコーチとして、

リオ五輪でデュエット、団体ともに銅メダルに導びかれました。

かつては日本のお家芸の一つとも言われていたシンクロが

勝てない時代が続いた原因を語られています。

井村コーチの言葉を続けます。

『そう言われると一瞬は救われますよ。

でも五輪の舞台で一所懸命戦うのは当たり前だし、

そこで負けて悔しくなかったら嘘ですよ。

私には負け損はない、負けたら何かを得て帰らなければならない

という考えがあるんですけど、

そのためには負けた原因をピシッと押さえること。

痛いとこに触れないとダメです。

それが次の道標になるんです。

ところがあの子たちは、

痛いところに触れない大人に囲まれてきたために、

選手としての醍醐味を味わえずにきたんだと思います。

大人がそうさせたんですよ。』


結果を出せれば、負けもまた必要な糧になりますが、

結果を伴わなければ、ただの傷の舐め合いで終わってしまう。

慰めは大事ですが、その次に掛ける言葉が重要になってくる。

「辛かったけど、次を目指してまた取り組もう。

必ず改善点があるから」

といったように、次を、前を、上を目指す言葉を掛けてあげること。


最新号の致知12月号からのご紹介でした。

明日も井村コーチの言葉をお届けします。