遊園地 No.3278
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お母さんは交通事故で、きみがまだ6歳の時に亡くなりました。
突然すぎて精神的に参ってしまった私は、きみを連れて死のうとしたんです。
その日、最後の思い出にと、家族でよく出かけた遊園地に2人で行きました。
きみは嬉しそうに、はしゃぎ回った。
きみが楽しげであればあるほど心は痛んで、でも、必死で笑顔を作るようにしました。
やがてこちらに駆けてきたきみは、満足げな表情で見上げ、私と手をつないで笑顔でこう言いました。
「もういいよ、お父さん。お母さんのところに行こ」
きみは気づいてたんやね。この言葉で、私はハッと目が覚めました。
「あほ! お母さんに怒られるぞ、『そんな勝手なことするんやったら、二人で出て行きなさい!』って」
こう言うと……お葬式の日以来、お母さんのことでは全く泣かなかったきみは、セキを切ったように大きな声で泣きだしたね。
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日本講演新聞2024年5月6日号からのご紹介でした。
お嬢様の結婚にあたって書かれたお父様からのお手紙でした。
この時に無理にでも笑顔でいたことが良かったと振り返られていました。
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