バトンタッチ No.3267
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余命3か月と言われたある母親のお話。
「母は病院から家に帰ってくる度に、私たちにお弁当を作ってくれました」
と娘さんは言いました。
彼女が最後の最後に家へ帰った時、もうその時は立つこともできない状態です。
ところがその日、彼女は家で台所に立ちました。
立てるはずのない者が最後の力を振り絞ってお弁当を作るんですよ。
「お母さんが最後に作ってくれたお弁当はおむすびでした。そのおむすびを持って、学校に行きました。
久しぶりのお弁当が嬉しくて、嬉しくて。
昼の時間になって、お弁当を広げて食べようと思ったら、切なくて、切なくて、なかなか手に取ることができませんでした」
お母さんはお母さんなりに精いっぱい、必死に生きて、大切なことを子どもたちにちゃんとバトンタッチした。
鎌田 實(諏訪中央病院名誉院長)
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致知の記事からのご紹介です。
「誰かのために」という想いが生きる力になるのですね。
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