支え No.2126
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私の母はいつもニコニコしている人で、
私の病室にもニコニコ笑いながらやってきました。
私が何も反応できないにもかかわらず、母は一人で面白いことを言って、笑って、
「また明日来るわね」と帰っていくのでした。
その様子を見ていた看護師さんが母を呼び止め、
「娘さんの病状を分かっているんですか」ときつい口調で尋ねました。
母は「分かっています。
でも病気のことはわたしにはどうにもできないから、神様に委ねているんです。
私はただ娘に会えるのが嬉しくてきてるいるんです」と答えたそうです。
もし、将来のことを憂いて母が泣いてばかりいたら、
私のつらさはきっと増していたことでしょう。
でも、「ただ会えるだけで嬉しい」と来てくれた母の姿は、
私にとって本当に大きな支えになりました。
藤井 美和(死生学者)
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これもみやざき中央新聞6月3日号からのご紹介です。
親の愛の有難さがよく伝わってくるお話ですね。
なにかをしてくれるから尊いのではなく、
そこにいてくれるだけで尊い、愛おしいと思ってもらえる包容力。
病気という機会が教えてくれたことなのかもしれません。
全てのことには意味があるのですね。