天使の妹 No.1857 | 今日の言葉

天使の妹 No.1857


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「てんしのいもうと」

松橋 一太(小学一年生)


ぼくには、てんしのいもうとがいます。

よなか、ぼくは、おとうさんと

びょういんのまちあいしつにすわっていました。

となりにいるおとうさんは、

すこしこわいかおをしています。

いつも人でいっぱいのびょういんは、

よなかになるとこんなにしずかなんだなあとおもいました。

すこしたってから、めのまえのドアがあいて、

くるまいすにのったおかあさんとかんごしさんがでてきました。

ぼくがくるまいすをおすと、

おかあさんはかなしそうに、はをくいしばったかおをして、

ぼくのてをぎゅっとにぎりました。

いえにつくころ、おそらはすこしあかるくなっていました。 

ぼくは一人っこなので、

いもうとがうまれてくることがとてもたのしみでした。


おかあさんのおなかにいもうとがきたときいてから、

まいにち、ぬいぐるみでおむつがえのれんしゅうをしたり、

いもうとのなまえをかんがえたりしてすごしました。

ごはんをたべたり、おしゃべりしたりわらったり、

こうえんであそんだり、テレビをみたり、

いままで三人でしていたことを、

これからは四人でするんだなあとおもっていました。


でも、はるやすみのおわり、

トイレでぐったりしながらないているおかあさんをみて、

これからも三人なのかもしれないとおもいました。

さみしくて、かなしかったけど、

それをいったらおとうさんとおかあさんが

こまるとおもっていえませんでした。


ぽかぽかのあたたかいひ、ぼくたちは、ぜんこうじさんへいきました。

いもうととバイバイするためです。

はじめて四人でおでかけをしました。

ぼくは、いもうとがてんごくであそべるように、

おりがみでおもちゃをつくりました。

「また、おかあさんのおなかにきてね。こんどはうまれてきて、

いっしょにいろんなことしようね。」

と、てがみをかきました。

ぼくは、てをあわせながら、ぼくのあたりまえのまいにちは、

ありがとうのまいにちなんだとおもいました。  

おとうさんとおかあさんがいることも、

わらうことも、たべることやはなすことも、

ぜんぶありがとうなんだとおもいました。

それをおしえてくれたのは、いもうとです。

ぼくのいもうと、ありがとう。

おとうさん、おかあさん、ありがとう。

いきていること、ありがとう。

ぼくには、てんしのいもうとがいます。

だいじなだいじないもうとがいます。

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毎年ご紹介させていただいているシナネングループ主催の

「ありがとう作文」の2016年最優秀賞のご紹介です。



一年生ながら、豊かな感受性と家族への愛情が

感じられる素晴らしい文章です。

一太君の想いを抱きしめて、素敵な週末をお過ごしください。