まあともかく、菜奈の笑顔はいつもと変わらない。
きっとぼくが心を決め、しっかりと菜奈を守れば、全ては丸く収まるのだ。
菜奈「洋ちゃん?」
ぼくは今までどおり、菜奈とは恋人としておゆは友人として付き合うと、決めたはずだ。
だからもう、何を迷うことがあるというんだ?
菜奈「洋ちゃん……」
菜奈は、捨てられた子犬のような目で、ぼくを見上げていた。
ハッと気がついたぼくはつい菜奈の背中に手をやって、先をうながす。
洋「ううん、なんでもないよ……行こうか」
菜奈「うん……私、幸せだよ」
その声は、遠く低く、ぼくのなかで響き返った。
永遠に伴奏を探している、メロディーのように……。
〜ふたりの女神〜
映画 上映中は、形ばかりの改札がある小さな駅だ。
ふだんは閑散としているものの、さすがに今は通勤か通学時間帯なので、けっこうな混みようだった。
改札前に、iPhone学園の制服を着た女の子がいた。
左手を腰にあて、誰かを探すように視線をさまよわせているのは……。
由佳「はおっ! およ、こっちゃん!」