おゆはこちらを見ると、パッと顔をほころばせた。
洋「お、おゆ…!?」
状況から考えて、待ち伏せされたとしか思えない。
ちなみに「はおっ」とはおゆが親しい友達だけに使う、特別なあいさつである。
菜奈「あぁ、おゆちゃん!? はおぉ!」
菜奈も嬉しそうに、手を挙げて応じた。
由佳「こっちゃん。最近およと毎日一緒に登校してるってうわさ、本当だったんだ……」
菜奈「うん。だって……」
菜奈「少しでも長く洋ちゃんと一緒にいたいんだもーん」
菜奈は悪びたれることもなく、そう答えた。
由佳「これだもんなあ、かなわないや」
菜奈「でもおゆちゃん、iPhone学園は反対側なのに……わざわざ、それをたしかめに来たの?
そういえば……おゆの冬服を見るのは初めてだった。
なんだか新鮮で、動きやすそうなデザインは、おゆによく似合っている。思わずそんなことを考えてた。
由佳「ちがうよ、こっちゃん。今日は、およと待ち合わせ」
洋「なっ……」
目の前が一瞬、暗くなる。急に何を言い出すんだ?
必死に記憶を探るがそんな約束を交わした憶えはない。
だとしたら……。
菜奈「ほんとなの、洋ちゃん?」
菜奈「なんで、なんで……」
菜奈「どうして私に、教えてくれなかったの?」
菜奈の瞳は、いまにも泣き出しそうだった。