★★★★ 143分
原作:井上靖の1959年の小説「敦煌」
監督:佐藤純彌
出演:西田敏行、佐藤浩市、渡瀬恒彦、中川安奈、三田佳子、田村高廣
中国の西域のオアシス都市「敦煌」という街のはずれに莫高窟という仏教関連の遺跡のが残っている。
この莫高窟から1900年に大量の経典、写本などの古文書が発見された。敦煌文献と呼ばれているものだ。
この文献が残っていたことを題材に、井上靖が執筆した小説が「敦煌」だ。
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10世紀の頃の中国の北宋時代。
趙行徳(佐藤浩市)が、科挙の受験のため北宋の首都の開封に来たが、受験は失敗。
街で売られていた西夏の女(三田佳子)をかわいそうに思い、買い取り放免してやる。
(科挙を受ける割には、金持ってんだ)
女から西夏文字で書かれた布切れ(西夏への通行許可書)をもらい、行徳は西夏文字に興味をもち西域へ行くことに。
旅の途中で、西夏の漢人部隊、朱王礼(西田敏行)隊長に捕らわれてその部隊に配属させられる。
朱王礼隊長は、有能な行徳を書記にした。
ある日、西夏軍がウイグルを攻め、行徳は捕まえたウイグルの王女ツルピア(中川安奈)と愛し合うようになる。
その後行徳は西夏の首都への留学を命じられ、ツルピアを残し赴く。
行徳が数年後に戻ったが、ツルピアはすでに西夏の王・李元昊(渡瀬恒彦)との結婚が決まっていた。
そしてツルピアはそのことで自殺した。
朱王礼は行徳を連れて敦煌方面へ攻め入ったが、李元昊に反旗を翻して戦死。
行徳は、敦煌の遺産である貴重な書籍や経典を、莫高窟の寺院の隠し部屋に運び込んだ。
これが後世に発見された「敦煌文献」となった。(小説では)
西夏女役の三田佳子
井上靖はノーベル賞候補にもなった作家。
彼の小説では「蒼き狼」「おろしや国酔夢譚」「天平の甍」を読んだことがあるが、いずれも素晴らしい小説でした。
また彼の小説を読みたくなったが、なかなか時間が足りない。