こんにちは。

今回はDAAD奨学金の書類審査(一次審査)について自分の体験談を記します。

こちらの研究奨学金の概要については前回の記事を参照していただけると幸いです。

 

 

DAAD 研究奨学金 (長期)

~書類審査編~

 

改めて、私の場合、以下の書類の準備•作成を行いました。

  • オンライン申請書
  • 履歴書
  • 動機文(2ページまで)
  • 研究計画書(10ページ)
  • 研究のタイムスケジュール(2ページ)
  • 受入許諾書or入学許可書(受入先の教授に書いてもらったもの)
  • 大学の全課程の学業成績証
  • 大学の全課程の卒業・修了証
  • 言語能力証明書(TOEFL iBT)
  • 推薦状2通
  • インターン、ボランティアの証明書
*出版物リストに関しては提出していません。
 
ここで、オンライン申請書•成績証•卒業証に関しては準備するだけなので触れないことにします。
改めて、以下の8項目を5、6ヶ月間かけて10月の締め切りに間に合うよう準備、作成しました。
  1. 履歴書(2ページ)
  2. 動機文(2ページ)
  3. 研究計画書(10ページ)
  4. 研究のタイムスケジュール(2ページ)
  5. 受入許諾書or入学許可書(受入先の教授に書いてもらったもの)
  6. 言語能力証明書(TOEFL iBT)
  7. 推薦状2通
  8. インターン、ボランティアの証明書
ちなみに、私はドイツ語が話せないためすべての書類を英語で作成しました。
 
それでは、上から順に解説をしていきます。
 
1. 履歴書 (CV)
私の場合、インターネットでいくつかの履歴書を確認し、それらの形式を自分の履歴書に取り入れていく方法を採りました。ここで重要なのは日本語でなく、英語のキーワードで検索することです("Curriculum vitae for scholarships"など)。私の形式を一例として添付しておきます。
簡潔に自身の能力をアピールするうえで課外活動は非常に効果的です。課外活動を行っていることで、自身が主体性や協調性、言語能力などを有していることを主張できます。特に夏休み中はこのような課外活動が全国各地(あるいはオンライン)で行われています。もし課外活動の経験がないようでしたら、今すぐ何かの活動に参加し、「現在取組中」と記載すると良いのではないでしょうか。CVは比較的すぐに準備ができる書類です。なるべく早く完成させて達成感をモチベーションに変え、次の書類作成に移りましょう。私の場合1週間程度かかったように思います。
*ちなみにGPAは学士が2.8/4.0、修士が3.5/4.0くらいでした。学士に限って言うとかなり低めですね。
 
2. 動機文(Motivation Letter)
動機文に関しても、初めにインターネットで一通り情報を集めましょう。動機文は「なぜ自分が支援をしてもらうに値するかを綴った手紙」のようなものです。
研究内容を多く含むため公開はできませんが、代わりに段落構成をお伝えします(計6段落、A4、1ページ)。
 
To whom it may concern,
 
  1. 自己紹介(名前、所属、年齢)と奨学金の審査をしてくれることへの感謝。
  2. 現在の研究分野に入った経緯。それにより得られた経験。研究により得られた結果、功績。なぜその分野に興味を持ったのか。
  3. 次の研究室が自身の興味ある研究をできる唯一のグループであると主張。グループの特徴をいくつか説明することで合理化を図る。改めて、世界中を探してもそのグループしかないことを主張。
  4. 自身が課外活動にも活動的であったことを説明。具体例を挙げながら他分野にも興味があることを主張。課外活動により得られたスキル、経験等をまとめる。
  5. 自分のキャリアのゴールを説明。
  6. すでに受入先の教授と密接にコミュニケーションを取っていることを説明。合意した研究構想が既にあり、自身の留学は双方(自身と受入先)にメリットがあることを主張。これらのことから博士課程の研究で良い結果が望めると締めくくる。
Thank you for considering my application.
 
Sincerely yours,
[Name]

動機文は1ページしかありませんが、作成に2、3週間ほど費やしたと記憶しています。まずは書きたいことをリストアップし、段落ごとにつながりができるよう文章を構築していくと良いと思います。文章の流れや英語の細かい部分の訂正などはAIの力を借りると良いかもしれないですね。

 

3. 研究計画書(10ページ)

私はこれに最も時間をかけました。4月頃からテーマの構想を練り、6月頃に一通り形ができました。6月から10月まではかなり入念に推敲をしました。こちらもがっつり研究内容なので公開できないのですが、いくつかポイントを絞って気づいたことをお伝えします。
  • 最初に研究の構図を練る際は俯瞰的な視点から入りましょう(大きな研究課題-->いくつかのアプローチ-->実験手法)。例えば私の場合、とある大きな研究課題を一つ掲げ、それに対して3つの独立したアプローチを提案しました。
  • 用いる図はめちゃくちゃキレイに、そしてスタイリッシュにしましょう。図の彩度はなるべく低くし、淡い色を用いることをお勧めします。私の場合適宜図形やモデルを用いて、図だけを見て何がしたいか伝わることを心掛けました。
  • 課題に対するアプローチとしてなるべく体系的(systematic)になるよう心がけましょう。(つまり、課題に対して一つのアイディアを提示するだけではなく、条件を振ることで現象の根本を理解しようとするようなsystematicなアプローチにしましょう)
  • 十分な実現可能性があることを合理的に説明しましょう。
  • 可能であればほかの研究室とコラボする予定であることも述べましょう。
  • しっかりと文献は引用しましょう。
私は以上のことに注意しながら計画書を作成しました。長い道のりではありますがいつか完成するので辛抱強く書き続けましょう。
 
4. タイムスケジュール(2ページ)
研究計画書の内容に沿ったタイムスケジュールを組みましょう。私の場合構成は、
  • 1/4ページほどのスケジュールの図
  • 時系列ごとにどのような実験をするのか
  • 論文をどのタイミングでまとめるのか
  • どのタイミングで学会に参加する予定なのか
などを箇条書きしました。
 
5. 受入許諾書
私の場合、完全に先方の教授にお願いしました。教授は非常に忙しいのでなるべく早めからお願いしておくと良いと思います。
 
6. 言語能力証明書
私は自宅受験ver.のTOEFL iBTを受験しました。私の場合ギリギリまで受験しなかったのでかなり危なかったのを記憶しています。たまたまそこそこの点数(94/120)が取れ、正直非常に運が良かったと思います。TOEFL iBTに関しては普段から論文を英語で読んでいる方はreadingは比較的点数が取れるのではと思います。問題はListning、speaking、writingの3科目ではないでしょうか。私のアドバイスとしてはとにかくTOEFLの出題形式を覚えることです。出題内容やメモしておくべきポイントなどをまとめてくれている方がいます(Atsueigoさん)。speakingやwritingのテンプレ等を覚えておくだけでも5~15点ほど底上げできると思うのでお勧めです。
 
7. 推薦状(2通)
私は学部生の時の指導教官と研究室の教員に推薦状をお願いしました。先生方には英語で推薦状を書いていただく必要があったため、ある程度書いてもらいたい内容をお伝えしておきました。推薦状を書いていただいた際にはしっかりとお礼をすると良いと思います。
 
8. インターン・ボランティアの証明書
課外活動に参加すればもらえます。最初は少しだけ面倒ですが、始めてみると様々なバックグラウンドをもつ友達もできますし、自信もつきます。実はかなり楽しかったりします。また課外活動に参加することで自分と同じように留学を志す同志と出会えることもあります。実際に、私も課外活動で知り合った友人と先日ドイツで再開しました。だまされたと思って、一度参加されてみてください。
情報が見つけられない方は自身の大学や各国の在日本大使館、奨学金団体などのホームページをチェックしてみてください。
 
 
以上、8項目に関していかがでしたでしょうか。私自身、昨年を振り返るととても根気がいる作業だったなと感じます。特に本稿を読んでいる方は仕事をしていたり、卒業研究、あるいは、修了研究をしたりしながらの奨学金の申請書作りだと推察します。必ずこの経験は活きると思いますので、毎日少しずつ頑張ってください。応援しています。
 
素人が書いた文章なので分かりづらい点や不明な点等あると思います。もしご指摘やご質問等あればお気軽にコメントしてください。できる限りお答えするつもりです。皆さんのご健闘をお祈りしています。