いつもは社用車の助手席にアイは乗っているが、今は自分の車の助手席に乗っている

私が送っていくと言うと、アイは一旦断るが、どうしてもというと、彼女は了承した

いつもは家族と乗っている車にアイが乗っている

嬉しさと後ろめたさが入り混じる


会社から彼女の家までは大体一時間ぐらい

アイは実家暮らし

彼女のナビで向かうことに

考えて見れば、彼女とは本当に車の中で一緒に過ごす時間が長い


運転を始めてすぐ、私はアイに謝罪した

つまらないことを言ってしまったこと、泣かせてしまったこと、素直な気持ちで謝った

アイは少しの間黙って、そして笑みを浮かべて

 もう大丈夫ですよ

と答えた


車内では、いつものように他愛も無い会話をする

アイと話していると自然と会話が弾む

年齢の差はほとんど感じない

20歳近くある年の差に、ジェネレーションギャップは多少あるが、特に気にならない

敬語の中に時折混ざる若者言葉

かわいいと感じる

そりゃそーだ、つい最近まで高校生


車内での幸せな時間、彼女の言葉に一瞬頭の中が真っ白になる


 私、本当は会社辞めようと思ってるんです


私の心臓が大きく波打つ

鼓動が早くなる

心が言葉を拒絶する