彼女(仮名アイ)と出会ったのは、コロナ真っ只中の2020年春


私は比較的大きなプロジェクトを任されていた

38歳、仕事に対しても脂の乗った年齢

業界の酸いも甘いも知り、この程度やればこれぐらいという相場観も身に付いていた

少し調子に乗っていたのか、仕事を舐め始めていたのか…少し余裕のようなものが出ていたのか…

そんな心理状態もその後の不倫に繋がっていった原因の一つなのか、今でも良く分からない


そんな時、私に研修でやって来た女性が見習いとしてつくことになった

ハタチの女性

それがアイだった

時の上司からお前が指導しろと命じられた

若い(若過ぎる)女性、娘との歳の方が近い女性

そんな女の子の世話なんかまっぴらごめんだと思い、適当な理由をつけて反対したが上司の命令には逆らうことができず、アイの指導員は私になった

背が高く、スタイルが良く、黒髪ロングを後ろで束ねている物静かな彼女

マスクを着けていることで、初めは顔の確認はあまりできなかった

彼女がマスク美人であったことは後々確認できたが、それがまた親近感が沸く理由になった

アイは、二十歳という年齢の割にどこか影があり、落ち着きがあり、色気に似たミステリアスな雰囲気をもっていた