糸かがり綴じは、1冊分の本の始めから終わりまでの折った(印刷した用紙を16P折りにした)分を1本の糸で縫い合わせていきます。本のサイズにより箇所は増減しますが、5~7ヶ所ミシン掛けします。糸が切れたり、紙が破れないかぎりページが脱落することはありません。
各々のページは糸で固定され、隣のページとは糸で結ばれており、接着剤は付いていません。ですので、本のノドまで大きく広げることができるわけです。
接着剤は下固めの工程で固定され、隣のページを接着剤するだけで、針孔から浸透した接着剤は糸を固定し、糸の緩みを抑えます。
このようにアジロ、無線綴じに比べ、接着剤の広がる面積が小さいので、ノド元まで広げることができます。又、用紙の種類、厚さ、サイズ、本の厚さにより糸の太さや糸質を選べますので、条件に応じて堅牢さを保つことができます。
ただ、欠点は時間がかかりその分コストが上がります。
一般的に、上製本(ハードカバー)等によく使われていますが、PUR製本が進化したため、全ての上製本に使用するとは限りません。