7、伝統を支える職人さんたちの現実


その展示会中に、今回新たに参加して頂いた小紋職人の小林先生から条件が一つ有るといわれました。その理由は他の展示会と重なっているので、途中抜けざるを得ないということでした。
2日目の夕方になると小林先生は名古屋に急いで出掛けて行きました。現地に着いて又夜中にディスプレイするのですが、その姿を想像すると倒れなければ良いがと思い心配しました。
最終日には又同じように板橋に戻り、あとかたづけをして帰宅しましたが帰り際、「又一日おいて静岡に朝一番で出張ですよ」と云い残して帰って行きました。
私はその状態を見ていて、昔と違い問屋さんを中心に販売していた形態が崩れた為、自ら販路を確保しなければならない時代になったことを痛感させられました。そのことが影響をして、職人さんが職人さんとしての技術の向上をはかるのに悪影響が出ているのではないかと心配になりました。
また、岡べっ甲職人さんの所で聞いた話を少し紹介したいと思います。
それは自然保護との関わりの中で平成4年に、べっ甲の輸入が禁止となり、現在は手持在庫のみで仕事をしているのですよと云っていました。そこで私は何らかの方法で輸入出来ないのですかと尋ねると、岡さんが仰るには国は平成7年に個々の在庫量の報告を義務づけ、尚且つ使用量も提出する様になったそうです。役所の担当官が抜き打ちに検査に入り調査する仕組みになっていて、それらは全てワシントン条約にて決定されたことということです。
現実にはべっ甲になるタイマイ種は数的にはいるそうですが、条約の制限をクリアーするための科学的証明をするには相当のコストがかかるので、それを後進国が調査して説明資料を作成するのは困難だということです。私が他に生息地域はないのかと聞きますと、他は先進国のリゾート開発で全滅に近い状態らしいということです。それを聞いたとき、私は先進国とは何とも勝手な論理をかざして自然保護を訴えていると思いました。
「貴重なべっ甲職人の後継者は関東近県に何人いるのですか」と尋ねますと「10数名かな」との答えです。「べっ甲の仕事は国の対応次第ですが消えいく職業ですね」と実に悲しそうに話してくれました。作業しているその場に、そうした実情を知りながら仕事の技術に磨きをかけている息子さんがいるのです。その後継者の心中を思うと余りあるもので、聞いている私がさみしくなりました。


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