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2月6日は映画「何が彼女をそうさせたか」が公開された日だそうです。

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常盤座に翻る垂れ幕は「何が彼女をそうさせたか」のもの

当時としては異例の5週連続上映を記録。

1930(昭和5)年のキネマ旬報ベストテンでは第一位に輝き、
”ルンペン””エロ、グロ””ナンセンス”等の言葉と一緒に、
昭和5年の流行語にもなった日本映画史上不朽の名作なのです。

《物語り》

『14歳の中村すみ子は母親が男と行方をくらまし、父親も野垂れ死に孤児となる。
父親の言葉に従って、叔父の許に身を寄せるも束の間、曲芸団に売られてしまう。
曲芸団での辛い日々のなかで、すみ子は同じ曲芸団の青年 新太郎に恋心を抱くが、
団長の小川からの虐待に耐え切れずに新太郎と手を取って、曲芸団から脱走する。
その後は、琵琶法師 長谷川旭光の女中になったり、ついには詐欺師の手先にまで。
更には県会議員 秋山の家の女中、と職を転々としながら、辛酸を舐めさせられる。
そして、ようようにして再会した新太郎と結ばれるのだが生活に追われた二人は
切羽詰って心中を図り、すみ子だけが生き残ってしまう。幸せも夫も総て失って、
教会の慈善施設 天使園に救いを求めて辿り着く。しかし、此処もすみ子にとって
安住の地ではなかった。天使園は、園主 矢沢の偽善と不正とで腐敗しきっていた。
すみ子は絶望のあまり教会に放火する。警察に捕らわれ、連行されるすみ子の姿に
「何が彼女をさうさせたか。」の字幕が大写しになって、この映画は終わります』

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薄幸の美少女が辿る、数奇な運命の物語は心を打ちます…

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曲芸団では団長の小川の得意技「ナイフ投げ」の標的にされます。

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曲芸団のテントの中の新太郎(海野龍人)とすみ子(高津慶子)

なんだか不幸のてんこ盛りですけど、紛れもない当時の現代ドラマ。

ホントに今、現代の日本社会の暗喩とも受け取れる内容だな~なんて…

シミジミと感傷に耽ってしまいました。