中古車だと電波キーが使えないことがある

このE46、ご存じの通り318iから320iへの買い換えですので中古車です

そして中古車を買った時のあるあるですが、2つあるキーの1つが無線解錠できません

車のキーに限らず、充電電池というのは充電放電を繰り返すうちにいつかは寿命を迎える

消耗品です

ですから車のキーでそうなったら、鍵穴に挿しての解錠はできますが

電波を使った リモコン解錠は出来なくなるのです

 

中古車で買った場合、前のオーナーがひとつのキーだけ連続して使っていると

次のオーナーは買った時から壊れている(使えない)ということがよくあるのです

 

そこで今回はそれを使えるように修理してみます

 

やり方は2通りある

この問題の解決方法は 大まかに2通りあります

1.無理やりこじ開けて、充電電池だけ交換してしまう

2.同じく分解して、新品のキーにイモビライザーだけ移植する

 

1のやり方が、今回行う方法ですがそれは書いてあるまんまで理解できると思います

ちょっと難しそうな2の方法ですが、実は社外品で鍵溝を掘っていない新品キーが

売ってあるのです。それならば見た目新品になりますし 鍵屋さんで鍵溝を掘ってもらえば

それだけでいい・・ような気がしますが、実はこのBMW E46 は盗難防止のために

キーの中に【認識チップ】が内蔵されているのです

ですから、コードを直結させたり 鍵穴を真似たキーではエンジンがかからないのです

鍵穴が適合し、そのキーの認識チップが適合して初めてエンジンがかかる仕組みなのです

ですから新しいキーを作る場合どのみち分解してこの認識チップ(イモビライザー)を

取り出し、交換する作業が必要となります

それ自体は難しくないのですが、新品のキーが2000円ぐらい、

鍵溝を掘る値段が4000円くらい、しかも特殊な形ですから受付してくれないケースも多く

見た目が新品になるというだけで、どのみち分解しなければならず

かつ6000円以上かかるというのは(個人的に)そこまでの価値はないな・・

ということで今回は1番の方法で進めていきます

 

 使う道具

使用する道具は金づち彫刻刀だけです

もちろん後で紹介する新品の充電電池も必要です

 

作業手順

作業手順と言いますか、やることは下の写真のようにキーを真っ二つに割っていくだけ

なんですが

 

刃を入れる溝に、結構幅があります

 

何が言いたいのかと言うと、実際やってみるとわかるんですが

その1 mm ほどの幅のどちらに刃を立てて良いのか  ちょっと迷うのです

 

↓ Aの所に刃を当てて割るのか、Bの所に刃を当てて割るのか・・

そんな細かなことは調べてもどこにも書いていないので、ぶっつけ本番で傷をつけながら

やってみたのですが  上の図のように

どうやら A の方に当てて割っていくのが正解のようです

 

なぜこのような細かなことまで説明するのかと言うと

そう簡単には割れてくれないのです。でもそれで力を込めてガン!とやると

中にある基盤まで壊してしまう可能性があります

少しずつ少しずつ  様子を見ながらコツコツと作業を進めていきます

最終的には こんな大掛かりな形になってしまいました

 

でもそれぐらい割り進めると  後はパリパリと すんなり割れてくれます

 

そして新品の充電式電池です

私は Amazon で

パナソニック コイン充電池 VL2020 縦型端子付き

 

 

というのを買いました

Amazon の中でも調べてみればわかると思いますが同じ VL2020という型番でも

ツメ(端子)の形が違う物があります

そこで悩むかもしれませんが、この作業では最終的に爪は折ってしまうか

取り外してしまうので どちらでも構いません

 

古い充電電池を持ち上げてみるとこのように端子が電池に張り付いています

 

上の写真の電池と端子の間にマイナスドライバーを突っ込んで

下側は なんとか外れましたが、上側はどうにも外れそうになかったので

ニッパーで切断しました

 

新しい電池の方も、同様の作業しなければならないのですが

こちらは無理矢理剥ぎ取るのが少々怖かったので、初めからニッパーで切断しました

ニッパーがなくとも何回か折り返すことで切断できます

 

基板側の、剥ぎ取った金属端子が  ある程度凸凹してしまうので

そのまま電池を入れても、カバーからの圧力で端子は接触するのですが

一応念のために 上側下側 両方をハンダ付けしました

これは自分の気持ちの問題なので、無理にはんだ付けする必要性はないと思います

 (但し、電池の場所を固定する必要があるので  テープを使うなどの作業は必要になります)

 

あとはカバーを接着すれば完成なのですが

正常に作動するか動作確認できるまでは、仮止めのマスキングテープで固定しておきます

 

 充電してみようとして・・・あれ?

組み上がったので、早速動作チェックをしてみたのですが

全く動きません

「あぁ そりゃ電池がまだ充電されてないんだから動かないよな」と思って

少し乗ってみて、さらに下のような形で充電してみようと試みました

        あとで話しますが、これは勘違いで充電に関係なく この段階では動きません

エンジンを切って停止している車で充電できるのかどうかわかりませんが

とりあえずやるだけやってみようと  こんな形でセットしてドアをロックしようとした

のですが、ロックできません

 

エンジンの鍵穴にキーを差し込んだ状態で、外からドアをロックしようとしても

自動的に解錠されてしまいます

 

だから何なんだって話なんですが、キーを二つ同時に使った形でドアはロックできない

という、豆知識というか単なる余談でした(笑)

 

 

 キーの認識作業が必要

10 km ぐらい走行して、ハッと思い出しました

「新しいキーを作ったら  車に認識させる作業が必要。とどっかで聞いたような」

 そこで家に帰って  キーをもう一度分解して、電池の充電容量を確認してみると

すでに満タン近く充電されていました。

つまり電気がないのではなく、別の問題で動かないのです

となるとやはり認識作業が必要というのが確定と言えます

 

 

キーの認識作業の手順  (ただ1つのキーの場合)

1.キーを鍵穴に刺して解錠し、車に乗り込み、ドアを締める

2.エンジンの鍵穴にキーを刺し、キーを回す

(1段階目ではなく、2段階目のこの状態になるまで回します)

(エンジンがかかるまでは  回さなくて良いです)

3.回したのを戻して、鍵穴からキーを抜く

4.解錠ボタンを押しながら、施錠ボタンを3回押し、解錠ボタンを離す

3回押すタイミングは、タン、タン、タンというリズムで

ちょっとゆっくり目で 確実に押す感じが良いです

それからAを押していた指を離します

 

すると、ガシャガシャというドアをロック・解除する音がして

ルームランプが光ります。    そうなれば設定成功です

 

 

成功・・・したんですが・・あれ?

やれやれ、やっと作動して一安心、、、と思ったのですが

試しに  今まで使っていた方のキーを動かしてみると

動きません  (T∇T;)

 

そっちのキーを同じようにキー認識させると、

今度はさっき修理したキーが動かなくなります   (〇`ε´〇)

 

キーが複数ある場合、 やり方が ちょっと違うのです

 

 

キーの認識作業の手順  (キーが複数ある場合)

キーが複数ある場合は、先ほどの4までの手順を終えたあと

残りのキーを すぐに(10秒以内程度のうちに)

また4の作業をします

この時、エンジンの鍵穴に刺したり、ドアを開けたりしてはいけません

 

1→2→3→4、キーを持ち替えて →4

 

2回目の4番作業も、成功すればガシャガシャ音が鳴ります

 

これで  1本目も2本目も  動作するようになります

 

 

カバーの貼り付け

動作確認も終わったので、最後にカバーを貼り付けます

接着剤は瞬間接着剤を使いました

そしてこのようなクランプで2箇所固定

簡易クランプですが、安くてこのような作業でよく使うので

持っていて損ではないツールです

 

最後に 模型用のタミヤセメント(流し込みタイプ)で流し込み接着しました

雨天でも使うものなので万が一にでも中に水が入ってはいけないので

防水の意味で使ってみました

 

 

完成

いつも使ってたメインキーと全く同じように

予備キーでも リモコンでドアが開くようになりました

完動で感動

二つとも同じように使えると  やっぱり気持ちいいですね~!
 

予備キーの方にもキーホルダーが欲しくなります