工事請負契約は慎重に・・・ | 不動産営業マンの業務日報

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大工~現場監督~ハウスメーカーの営業を経て、20代後半には会社経営に失敗。今現在は不動産会社役員として主に売買仲介の営業に日々奮闘中!
保有資格は、宅地建物取引主任者・2級建築士・損害保険代理店資格。

注文住宅等を建設業者に依頼するときに締結するのが、「工事請負契約」です。

請負契約とは、当事者の一方(請負人)が仕事を完成することを約束し、相手方(注文者)がその仕事の結果に対して報酬を与えることを約束することにより成立します。

意外と皆さんご存じないのが、この契約は原則として途中で解除が出来ません


■民法第635条

「仕事の目的物に瑕疵ありて之が為に契約を為したる目的を達すること能ざるときは、注文者は契約の解除を為すことを得。ただし、建物その他土地の工作物に付いては此の限りに在らず」

と記されています。

依頼した業者に瑕疵があって契約の目的を達することが出来ない場合は、注文者は契約の解除が出来ると書いてあります。

しかし、その次のただし書きに注意!

”建物と工作物についてはこの限りに在らず”となっていますね。

そうなんです!どんなに悪質な工事をされても途中で契約解除は出来ないのです。


■民法第641条

「請負人が仕事を完成せざる間は、注文者は何時にても損害を賠償して契約の解除を為すことを得」

これを見ると、工事途中であった場合、注文者は損害を賠償すれば契約の解除が出来るとなっています。

建設業者がすでに発注してしまっている資材や、この工事で得られると思われる利益等の損害を賠償すれば契約の解除が出来るのです。


結局は、注文者が損害を賠償しないと解約できないのです。

解約する場合は、相当な金銭的負担がかかると思われるため事実上は出来ないと思っていた方がよいでしょう。


また、第634条では以下のように記されています。
「仕事の目的物に瑕疵あるときは注文者は請負人に対し相当の期限を定めて其瑕疵の修補を請求することを得、但瑕疵が重要ならざる場合に於て其修補が過分の費用を要するときは此の限りに在らず」

瑕疵があるときは、注文者は相当の期間を定めて、請負者に対して、瑕疵を補修するよう求めることができます。

ただし、瑕疵が重要でなく、その補修に過分の費用がかかるときは、補修を求めることができないのです。


「工事請負契約」は慎重に・・・。


(注)瑕疵(かし)・・・簡単に言うとキズとか欠陥のこと。

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