18日(金)に予定しておりましたライブはキャンセルとなりました。
楽しみにしてくださってた皆様、ごめんなさい。
こんな時こそ音楽の力で・・と思いメンバーとも熟考を重ねましたが・・・。
 
思えば、渡米してすぐに阪神大震災がありました。
アメリカで目にした祖国の惨事は胸が張り裂けそうでした。
何もできない自分にイライラしてました。
新聞で、テレビで連日報道される日本はどうなるんやろ・・・。
心配で仕方なかった。
そんな悲惨な状況の中で、アメリカのメディアは「暴動、略奪の発生しない日本人の心」の素晴らしさに驚いていた。
誇りに思った。日本人でよかった。
 
貧富の差の激しい多民族国家アメリカでは、911、ハリケーン・カトリーナなどの時には略奪行為が発生していた。ニュースではあまり報道されなかったかもしれない。
そんなアメリカ人にとって、また、アメリカに住む日本人にとって、文句も言わず列になって順番に配給を待つ日本人の姿は美しかった。
皆大変なのに「あの方のほうが大変ですから」という発言も美しかった。
一方、悲惨な出来事でも、悲観的になって伝えるばかりでなく、そのような前向きな部分を発見するアメリカ文化も捨てたもんじゃなかった。
 
ニューヨークに引っ越して3年目に同時多発テロが発生した。
その後の、愛国心を募ってイラク戦争に突入したあの男のやり方とそれに従った保守派アメリカにはがっかりした・・・が、しかし、
当日の9月11日、或いは12日後の夜だったか・・・、無力のアメリカが真っ先にしたことの一つは、悲しみにくれるだけでなく、音楽で一つになることだった。
ほんの数時間で大物アーティスト達が多数集っていた。
テロにあう可能性から「とあるスタジオから生中継」とだけなっていた。
テレビに映る音楽家たちの姿とその音楽は美しかった。無力ではなかった。
脳裏に焼きついているのはニール・ヤングの歌う「Imagine」・・・イラク戦争時には保守米ラジオから締め出された曲。
 
こんな時は苦しんでいる人のことを考えて自粛・・・。
こんな時こそ音楽の力で・・・。
 
文化の違い。
どちらも正しい。