光り輝く太陽が光り輝くように砂漠を照らし、光り輝くように二人を照らす。地上から高く飛んでいる悟空らでさえ、上からも下からも熱気が来る。汗が止まらず、二人は何度も何度も持っている水に手をかける。
「ぷは~~ぁ」
と、癒されたような顔をして水筒から口を離した悟空は、水筒のキャップを閉めながらべジータに問いかける。
「砂漠って広いねぇ。まだまだ町が見えないよぉ。」
キャップを閉め終えた悟空はあたりをきょろきょろする。
「もっと上を飛んでみようぜ、悟空」
と、返すべジータに悟空は頷き、ゆっくりと上へ向かう。
砂漠の反射に目を閉じそうにはなるが、はっきりと大きな町が見えたようだ。
「よし、悟空、あそこだ!!」
と、悟空にべジータは呼びかけ、さらにスピードを出して飛んでいく。
「あっ、待ってよぉ、べジータさん!」
悟空も続けて飛んでいく。
一方、ここはホワイトシティ。先ほど、べジータが見つけた町である。ここは名のとおり建物のほとんどが白である。日光を反射させるためだろうか。
その町の大通りで、ある一人の普通の男が人々に囲まれながら、腕を組んで仁王立ちしていた。そのそばには、めがねをかけたいやらしい顔ひょろひょろの男が一人。
「さあさあ、こいつに勝ったら100ゼニーだよぉ!? 参加料金わずか20ゼニーでこんな大きなチャンスをのがしちゃうのかい?」
ひょろひょろの男が人々にそう言い放つ。
「ただこいつと腕相撲をするだけだよぉ?」
再び男は言い放つ。
見る限り、ひょろひょろの男ではないほうの男はそんなにマッチョではない。あたりではざわざわと、ひそひそ話をはじめている。
「おい、あんな男に勝つだけで80ゼニー儲かるんだぜ!?」
「お前、行ってこいよ!」
「ああ! 今日の晩飯は焼肉だな!」
ついに一人の男が前に出てきた。
「俺がやってやる! ほらよ、20ゼニーだ!!」
その男はひょろひょろの男に20ゼニーをポイッと投げつける。
テーブルのそばにはいすが二つ。そこに男と挑戦者は座る。右手のひじをつき、がしっと手を組み合った二人。
挑戦者はニコニコしている。
「おれはホワイトスターハイスクールでは一番腕相撲が強いんだ!」
その挑戦者の言葉に男はにっと静かに笑みを浮かべ、
「ほう……楽しみだ……」
と低い声を出す。
「用意はいいかな?」
とひょろひょろの男は二人が組み合っている手の上にそっと右手を置く。
「はじめ!!」
その合図とともにわっ!と歓声があがる。
しかし、その歓声もつかの間であった。
いとも簡単に男は挑戦者を倒してしまった。
「ありがとさん。またの挑戦を待ってるぜ。」
そういって男は再び立ち上がって仁王立ちする。
(へへへ・・・・私が開発した筋肉増強剤はすばらしい効果だな……)
と、ひょろひょろの男は静かに笑いながら思うのであった。
「さあさあ、まだいないかな~~?」
と、ひょろひょろの男は得意げに話す。しかし、周りの人々は男の強さに後ずさってしまう。
だがしかし、後ずさった周りの人々から、こんな声が聞こえた。
「おもしろそうだな……おれもやらせろ。」
その声に仁王立ちの男はにぃぃっと笑みを見せる。
「いいぞ……やってやる……でてこい。」
そういわれて出てきたのはべジータであった……