立ち上がる | takoyakingmakironのブログ

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今は笑える!笑うしかない(笑)
私のカオスな家庭環境を思い出して書いてます。

 

 

私の過食と嘔吐は始まってから7年が過ぎようとしていた。

今日こそは我慢しようと何度も思った。

でもダメだった。

夜中にコンビニに買い出しに行き

買い物袋にいっぱいの食べ物を胃に詰め込んでは吐いた。

もう自分の力だけでは過食嘔吐をやめられなくなっていた。

 

ある日、いつものように大量の食べ物を吐き出した後、

口の中に違和感を覚えた。

前歯が大きく欠けていた。

胃液で歯が溶けて脆くなり、折れてしまったのだ。

ああ、もうこんなことは止めなくては。

体がボロボロになっていく。

私はとても20代とは思えない生気のない顔をして

毎日を過ごしていた。

ダメな自分を責めながら、

苦しくて苦しくて自分から逃げ出したかった。

 

私はどうしてこんなことになってしまったのだろう。

最初はただ食べ過ぎてしまったものをリセットする

だけのつもりでやったこと。

太りたくない。

ただそれだけの理由だったはず。

でも今はもう辞められない習慣になってしまって。

太りたくない、でも過食は止められない。

それなら吐き出すしかない。

太っていても楽しそうに暮らしている人もいる。

私はどうしてこんなに太るのが怖いのだろう。

私、痩せてどんな自分になりたいのかな。

 

最初は痩せて綺麗になれば普通になれるかもしれないと

思っていた。

自信を持って人の輪に入れるかもしれない

受け入れてもらえるかもしれない。

でも何も変わらなかった。

人間関係は相変わらず絶望的にうまくいかない。

どんなところにいても自分の周りが透明な壁に

囲まれているような孤独感はなくならなかった。

頑張って明るくしても長続きはしない。

気が付くと孤立して一人ぼっちになり、

居場所を無くして輪を離れるしかなくなっている。

寂しい人生だと思う。

思い出はいつも一人ぼっち。

友達と楽しそうに時間を忘れておしゃべりする、

そんな当たり前のことに憧れて今まで頑張ってきた。

人の輪の中に普通に存在して、

ただそこにいることを許されて、

そんな経験を一度でいいからしてみたい。

人と一緒にいて楽しい、安心、という経験をしてみたい。

それが私の思う普通ということ。

たった一つの私の夢だった。

 

子どもの頃からいつも不安と戦っていた。

父からの身体的精神的暴力、

母からの「甘えるな」という圧力。

私は両親の厄介者

間違えて生まれてきてしまった子ども。

私の根底には「招かれざる者」という意識が

生きることの源になってしまったのだと思う。

だから私は必死に頑張った。

機能していない家族を必死につなぎとめて、

役に立って両親に喜んでもらおうとしていた。

家族として生きるのは無理な人間の集まりだったのに

私は必死に頑張って。

そんなこと喜んでもらえるわけないよね。

父は父親になりたいと思ったことなんてないし、

母も母親として機能できるような人ではないのに、

両親が二人とも

私が生まれたことの責任を背負いたくなくて

向き合えなくて、逃げだしたかったのに。

一番見たくないことを私は求めていたのだから。

自分の快楽にしか喜びがない人に

あたたかい家族を作るなんて無理だったんだ。

 

毎日忙しく働いて疲れて苛立ち、気持ちを私にぶつける母。

「あんたのために頑張ってるのに、遊んでばかりいて!」

母が苦労しているのは私がいるからなのだ。

そんな長い間受け続けた言葉が染み込んで

私を蝕んだ。

遊んではいけない、楽しんではいけない。

母が苦しんでいるのに、私が楽しむなんて許されない。

母は私に自分と同じ不幸を味わうことを求めた。

私は喜びや、楽しいことを押し込めて殺した。

そして、今私が苦しんでいるのは摂食障害。

私は病気になってしまった。

病気になっても心配もしてくれない、

寄り添ってもくれない。

迷惑をかけるなとまで言われてしまう。

私はこの人にいつまで寄り添い続ければいいのだろう。

 

もうやめよう。

この人のそばから離れよう。

逃げ出そう。

過食と嘔吐は私の罪のように思っていた。

食べ物を無駄にして、

ただ食べるのを止めれば済むことなのに止められない。

それは全て私のせいなのだと抱え込んでいた。

もう本当に止めたい。

健康になりたい。

元気になって前を向いて自分の人生を歩いてみたい。

今までの人生は与えられた人生。

こんなに苦労して一人で育ててくれたお母さんを

捨てるのかと周りは私を責めるだろう。

そんなこと、もうどうでもいい。

同じ頑張るなら、自分のために頑張ろう。

誰に何と言われても

何と非難されても。

 

 

私は自分の家族が欲しい。

自分が子どもとして得ることはできなかったけど、

一緒にご飯を食べる家族が欲しい。

ずっと結婚することが怖かった。

結婚して幸せになるなんて全く想像できない。

結婚に憧れる人の気持ちにも、手放しで賛成する

ことはできなかった。

結婚なんて苦しみしかない。

苦しみと我慢ばかりで、挙句の果てに

子どもにストレスをぶつけて苦しませるだけ。

そんな考えが頭をぐるぐると回り続ける。

でもやってみよう。

私だって幸せになりたい。

 

誰よりも幸せな結婚に憧れているのは私だった。

自分の家族を持つこと、

自分が小さかったころには持つことができなかった

「家族で暮らすこと」

私は前に進もうと決めた。

まだ摂食障害からは抜け出せなかったし、

どうしたらいいのかわからなかった。

でも私は前に進もうと決めた。

そして母から離れることも。