先日、娘マメ子さんと、
お芝居を見に行った時のことだ。
始まるまで時間があるということで、
少し、百貨店に寄った。
娘が前から見たいと言っていた、お店。
ジュリーだの、
ブリーだの。
何の店?
いえ、ビュリーです!
綴りは…ね、
BuLy!
えっ?
そんな名前、聞いたことないわよ(笑)
よくよく聞いてみると、
ボディケア商品の店だという。
百貨店といえども、
土日の化粧品売り場は、カオスで…
スーツケースを転がす、外国人も多くて。
なかなか見つからないまま、
案内所で聞こうと思った瞬間、
マメ子さんが「あった、あったよ!」と。
こんなところに、みたいな、
いつもは絶対に通らない、
端といえば端の…
場所に、小さなショップはあった。
小さなショップといえども、
入ってみてビックリ!
異国の香りなのだ。
と言っても、
何の香りがするわけでもないんだけど。
メイドインフランスのブランドは、
貼られているシールのデザインも、
ヨーロッパらしく、
中世をイメージして、とてもオシャレなの。
ここの一番の売りは…
普通の香水は、
アルコールが入っているのだが、
そのアルコールを使わずに、
水性香水という、
独自の製法で作られていて…
(オー・トリプルというらしい)
世界でも類をみない、
独自の混和性水溶液なのだそう。
とにかく、
肌に負担をかけることなく、
潤したり、
肌のコンディションを良くしながら…
香水としても楽しめるという、優れもの。
もちろん全て、
自然のモノの香りを使っているのが特徴だ。
香りのテイスティングも、
とても面白くて…
ガラスのビーカーみたいなものに、
繋がれた噴霧器みたいなものを、
パフパフすると、
そのビーカーの口から、
香りを嗅げるようになっている。
アンビリーバブル!
でも、お値段が恐ろしい。
これは、買えないな。
と言いつつ、「お試しだけでも…」
という言葉に乗せられて、
ひとつ、ふたつ、嗅いでみた。
何とも言えない香り。
バラや、ユリ、柑橘など、定番ものから…
それはそれは、ディープな、
森林、苔、
土や石の香り、
野菜のハーブやクレソン、
さつまいも、キャロットなんてものもある。
もう、何だか分からないけど、
いくつか嗅いでいると、
私も、どこか、違う国、
それも、ヨーロッパを旅している気になった。
幸せな気持ちになる。
香水には、手が届かないが、
ローションやオイルなら…
まだ、何とか。。
えっ、買うんかい!
つい、店員さんのマジックと、
その美しい瓶の虜になって、
品定めし始めている、親子ふたり。
笑っちゃう。
結局、娘は…
スミレの香りを選び、
私は、クレソンの香りにした。
クレソンって、どんな香り?
それはね…
その昔、幼い頃に、
シロツメクサの生えたところで、
寝っ転がって嗅いだ香りなの。
なんだろう、この香り…
癖になるの。
他にも、素晴らしい香りがたくさん。
なかなか眠れない夜にも、
このローションを手肌に塗ることで、
少し安定するかな。
楽しいことが、
たとえ幾つかあっても、
やっぱり悩みが消える訳ではないから。
母にも申し訳なく思うし、
自分も何となく許せない。
突如現れる、不安。
とめどない、恐怖。
自分が自分でどうしていいか、分からない。
そんな気持ちになることが、ある。
それも、急に。
ダメじゃん、自分。
涙目。
頑張れ、わたし。
折れないで、こころ。
そして…
クレソンの匂いに、救われる夜。
あなたの好きな香りは何ですか?
子どもに帰れる香りは、きっと幸せな香りです。