今日は、年始初めて…外に出た。


現に、五日も家に居た。


こんなに家を出なかったのは、何年ぶりだろう。


と言っても、徒歩3分の郵便局まで。

ゆうパックを送る為に、

ノーメイク、帽子、マスクのスタイルで、外に出た。






コロナも5類になって、

少しは恐怖心も減ってはきたが、

それでも、まだ私は怖くて…


たった3分出かけて、

たった3分居ただけの郵便局でも、

お風呂に入るか、

シャワー浴びないと気が済まなかったけど…



ようやく、最近は…

コンビニ程度なら、

必ず清めに、お風呂に入ることは無くなった。




ふぅ。




皆さんは、どんな感じなのかな。



で、まぁ郵便局まで3分で、

中で手続きにまた3分、

徒歩で家まで戻って3分、

計、約10分弱出かけた訳だけど、

そのまま家に帰るには、

天気も良くて、日差しも温くて、

少し、近所を歩くことにした。



風邪もようやく、治りつつあって…



ここらで、元の生活に戻らないといけない。

体力を戻す為にも、リハビリ、リハビリ。



で、てくてく歩きはじめた。



さぁて、どこまで歩くかな。





そうだ、次の駅近くの、

あの猫に会いに行ってみよう。



あの猫とは…



ひとつ向こうの駅までの、

道のりで…

住宅街をぬって歩いていくと、

少し古い長屋みたいなところがあって。


その長屋の路地から、

マンションが見えているのだが、

前に、娘マメ子さんと散歩した時、

「あっ、猫!」と、指を指して…


なんと、二匹の猫がこっちを見てる。

マンションのベランダに、

二匹の猫がちょこんと座っているところに…

私達は、出くわしたのだった。



それから、二度ほど…

ウォーキングに通ったけど、

猫にはお目にかかれず、

それから、季節も変わって、

寒くなったから、

歩くのも億劫になってしまっていた。





まぁ、今日はゆっくり歩こう。


久しぶりだし、早足でなくても、

ウォーキングというより、散歩、散歩。


私は、ゆっくり歩き始めた。




線路沿いを行くと、まずは鉄橋があって、

短い橋を渡る。


それから、右手に何軒か家があって、

その先の踏切のところで、

サボテンなどの多肉植物を育てている、

お家にぶち当たる。 



そこから、右手に曲がって、

二手に分かれているから、

左の道を行くと、お寺があって。

そこをまた左に曲がる。



そこからは、ひたすら真っ直ぐ。



角を何個も通り過ぎて…

歯医者さんを過ぎた左手に、

その長屋はある。



長屋の、切れた間から、

猫ちゃんはこっちを見ているのだ。





私は、願掛けをした。




猫ちゃんが一匹でもいたら、

今年は良い年になる。

いなかったら、普通の年だとしよう。




どうか、

猫ちゃんが居ますように…




祈りを込めて、

マンションの方を見た。




居た!




居ました!



白い猫が、招き猫のように、

微動だせず、ちょこんと座っていた。



カワイイ!



可愛いよ、君は。



ありがとう、幸運を運ぶ猫ちゃん。

今年は、良い年なのね。



足取り軽く、私の心も踊る。



帰り道の私は、

ちょいと鼻歌混じりで、

いや、ブツブツ、

嬉しさのあまり、小さな言葉を紡ぎながら…



家路に着いた。



そうね。



暑いよ。



汗をかいてしまうくらい、暖かい陽気。



今年の始動は、

ほんの少しだったけど、

白い猫ちゃんに出会えて、幸せな時間だった。



幸運の猫は、白い猫。



今年は良い年になるよ、きっと。



きっと、きっと。