昔の多感だった時期、結構読書が好きだった。


その中でも特に今でも強く印象に残っている本が「完全自殺マニュアル」だった。


確か親とかにはこの本を買ったということを知られたくなくて、内緒でこっそり読んでいた気がする。


様々な自殺方法が紹介されていて、どの方法が一番楽なのか、なんてのに一番興味があった。


意外にも、首吊り自殺が最も苦痛も少なく、簡単にできるらしいと知った。


ただそれは、無事?成功すればの話であって。


首吊りに限らずどの自殺方法も、失敗してしまった場合の後遺症等のリスクが怖すぎるなと思ったのを思い出す。


成功率100%で、失敗しようのない方法があったらいいのに、なんて感想を持ってしまったのも思い出す。


この本は別に自殺を推奨しているわけではなく。


いざとなったら自殺という最強の逃げの手段があるのだと思えば、逆に辛い日常も生きていける、みたいなコンセプトだったような気がする。


確かにいざという時の、お守りみたいな本だったなと思う。


だけど結局どの方法も成功率100%ではなさそうだったので、自分みたいな石橋を叩きまくる人間にはできそうもないと、半ば諦めのような気持ちになってしまったのも覚えている。


死ぬのにも勇気がいるのかと、ある種の絶望を感じてしまったのも懐かしい。


今の世だったら、あの頃と比べて、楽な自殺方法も多少増えているのだろうか。