前職というか、開業司法書士と並行して、一般会社の契約社員もしていました。


司法書士登録するのだから、その時点で辞めて事務所のことに専念するつもりでした。


でも絶妙なタイミングで丁度その時、私にしかできないその会社での役割が与えられてまして。


中国人研修生10名(全て女性)のお世話をするという内容でした。


大手で日本国内はもちろん、世界中に支店があるような会社なのに、私が働いていた事業所では中国語はおろか、英語すら話せるスタッフが誰一人いなかった。


私は中国留学経験があり少し喋れたので(少ーしですよ少し)、当時会社にとっては貴重な存在だったらしいです。


事業所の責任者には、司法書士登録するから辞めると伝えたのですが「週1出勤でもいいから辞めないで!」と懇願され、ズルズルと勤務し続けることになりましたね。


中国人研修生達、彼女達は会社の命令とかではなく、志願して日本へやって来たのだと後に聞きました。


なので相当日本のことが好きだし、気に入っているはずです。


日本食大好きだし、日本のコスメ等のグッズも大好きです。


基本的には皆明るく親切ないい人だし、勤務態度も真面目で、しかも日本人スタッフより優秀で。


話していても、とても楽しかったです。






だけどやっぱり、何か通じ合えないものがある。


表現しづらいけれど、表面上いくら仲良くなっても、完璧には心を許してくれないというか。


今日もし戦争が起きたとしたら、昨日までどんなに仲良くしていたとしても、彼女らは容赦なく日本を捨てて国へ帰るだろう。


普段の言動からも、決して完全には異国に染まらない!そんな鉄壁の決意のようなものを感じてたんですね。


もちろんそれはある意味、当たり前のことで。


私だって中国文化が好きで、留学も志願して行きはしたものの、当時いざとなってたら、やはり日本を選んでいただろうと思うし。


それはそうなんだけど…。


なんというかとにかく、とてつもない悲しみのような感情で。


恐らくこの人達と真に分かり合える日は、永遠に来ないのだろうなとすら思えてしまって…。


物理的には一人じゃない、大勢で楽しく過ごしていても、実は孤独、そんな寂しさ。


あまり味わいたくない感情に違いありません。


結局人は、誰かに分かって欲しい生き物なんだと思う。


表面上だけでなく、心の深い部分までの繋がりを求める生き物なのかもしれない。


もしくは表面上の姿と実際の姿が一致していないことに、得体の知れない気持ち悪さを感じるのかもしれない。