以前わたしが働いていた工場のパート先で、少し不安定な社員さんがいた。
彼女は役職がついてて、パートをまとめる立場の人だった。
パートさんたちは短時間勤務で、いろんな部署があったから総勢20名近くを束ねるのは大変だったと思う。
優秀な人であったが、心理的圧迫が常にある繊細な人であった。そして常に周りに対して、いろんな気持ちを共有したがる人だった。
わたしが面接を受けた時に彼女に言われたのは、どんな心理状態でも、職場に一歩入ってしまえば、例えば家で喧嘩したとしても関係ない、常にニュートラルでもあれと言われた。
ただ、彼女自身、かなり気分に波があった。かなり努力して抑えているのはわかったが、それでもかなり自分の感情の処理に苦労しているようであった。
彼女の口癖は
常にポジティブであらねばならない
落ち込む気持ちは、良い言葉に変換して落ち込む気持ちを抑えるべき
と言ったもので、それを周りにも共有したがった。
私自身、家庭でトラブルを抱えていた時期だったし、かなり落ち込みやすい性質なものだから、そうしなければならないのかとかなりストレスに感じた。
私は、落ち込むときに他のポジティブな言葉で変換するというのはもっとストレスだ。
落ち込んで落ち込んで、底なし沼のようになって、それで、ポジティブとは程遠い部分からなにか妥協点を見つけ、自分を慰めながら騙し騙し戻ってくる。それはそれはキツイ作業。
みんながみんなとは言わないけど、大小そんな感じで行く人も少なからずおられるのだと思うが‥
落ち込む気持ちに蓋をして、明るい言葉で変換できる人なんて、よほど考えなしかド天然なんじゃなかろうかと考えるくらい、わたし自身は落ち込みやすいし、なかなか気分の切り替えが旨くいかない性質だ。
今の上司も常にポジティブということを共有したがる人だ。
まああの頃から10年以上たち、わたしも年を食ったので、上司たちが言わんとしてることは理解できる。
多分、心がけなんだよね。それと、二人とも繊細なので、言い聞かせるつもりで、共有したかっただけなんだろう。
わたしも昔よりかは感情の処理がうまくなったけど、常にポジティブなんて芸当はまだできない。
上司への気持ち上げ上げの言葉かけはうまくなったかもしれんが。
そんなことを言ってる人にもし出会ったら、きっと繊細な人なのはほぼ間違いない気がするから、逆に豪快に接してほしい。
きっとポジティブを欲しがる人は、豪快に気のせいって笑い飛ばす人が大好きだ。