世界遺産でもない。
地球の歩き方にも、ガイドブックにも載っていない。
そんな場所にこそリアルな世界がある。
成都から西へ、バスで14時間ほどのところに色達(セタ)という小さな街がある。
そこから20分ほど乗り合いタクシーで山を登ると、この巨大なチベット仏教の街 ラルンガル・ゴンパがある。
たくさんの僧侶が住んでいる。
そしていろんな部族の人たちが各地から参拝しに集まってくる。
ある人は体全部を地面につけ、おでこを地面につけ、全身全霊を込めてマニ車の周りを周っている。服もボロボロになりながら。
お経を唱えながら、ただ一心に前を見ながら、お経の勉強しながら、何かの歌を歌いながら、しゃべりながら、iPhoneでメールしながら、周っている人たち。
何やここは。
ただお祈りをみてるだけなのに、すごく引き込まれる。
自分もその世界に入り込んでしまう。
そしてこの山の中に創り出されたチベット仏教の世界。
山の上からの景色は言葉にならなかった。
こういう世界は創ろうと思っても創れない。
歴史があり、文化があり、そこに住む人たちの生活があるからこそ創られる。
人が創ったけど、自然な世界。
すごくリアルな世界。
中国成都の西へ800kmのところに、そんな世界がありました。
明日から東チベットを南下します。