4月2日(土)新国立劇場 中劇場16:30開演の

「毛皮のマリー」を観に行きました。



<タイムテーブル>



公演プログラムは1500円。
男性陣のプロフィール写真が上半身裸が多く、

電車の中でプログラムを広げづらかった。 A-_-;)

そしてまたこのプログラムの一番下に書かれているマークは、

なんと、アルファー・ミューではありませんか!




<その他グッズ>




作 : 寺山修司

演出・美術・主演 : 美輪明宏


毛皮のマリー : 美輪明宏

美少年・欣勧 : 修寺保都(かんしゅうじたもつ)

名もない水夫 : 木村彰吾

美少女・紋白 : 若松武史

下男・醜女(しこめ)のマリー : 梅垣義明

鶏姦詩人 : 江上真悟

鶏姦詩人 : 大野俊亮

下男2 : プリティ太田


小林永幸 真京孝行 大曽根徹 田中稔 高田賢一 

小谷真一 澤田誠 荻原謙太郎 吉田大樹 長田拓郎 

見雪太亮 月岡弘一 松田拓磨 加藤真悟 山田健太 

掛川太地 小早川俊輔 會田海心 鈴木翔吾 

小池亮介 長田翔恩


<あらすじ>


「鏡よ、鏡よ、鏡さん。この世で一番の美人はだれかしら?」
入浴しているのは名誉ある男色御当家家元三代「毛皮のマリー」。

そして、そばに立つのは、映画至上最大の怪物、

エリッヒ・シュトロハイムを彷彿とさせる下男である。
時は、大正五十七年。「毛皮のマリー」の屋敷に、

ひとりの少年がいた。半ズボン姿の美少年・欣也。

歳は十八歳。日本一ゴージャスな男娼のマリーに、

わが子以上に過保護に可愛がられ、外の世界を知らず育てられた。
彼は今日も「大草原」と呼ばれる応接間で、蝶を追っていた。
その前に、誘惑を企てる美少女が現れ、欣也を

見たこともない未知の世界へと誘うのだが・・・
“はかなくも妖しく哀しい物語”が頽廃美あふれる

ゴージャスにして魅惑的な世界として描かれる。




寺山修司さんが美輪明宏さんの為に書いた戯曲、との事で

一度観てみたかった舞台。いろいろな意味ですごかった。

屋敷の壁がぶら下がったたくさんの布で表現されていて、

オーロラ色の色合いがパルコ劇場のトイレの壁のようだった。

部屋はアール・ヌーボー調。幕開きの音楽は

ツァラ・レアンダーとう女優さんが歌っている

戦前のドイツ映画の主題歌だそうです。

雰囲気が「青い種子は太陽の中にある」の冒頭スラム街の

住民のカオスな感じをさらに凝縮したような感じ。

考えたらあの舞台も寺山さんの作品でしたし

「毛皮のマリー」でも、相撲取りが出てきました。




美輪さんの男娼マリー、中性的でゴージャスで魅力的だった。

マリーは寺山修司さんのお母さんがモデルになっているのでは、

という記事を読んで、それを知って見るとまた違った楽しみがありました。

欣也への行き過ぎた愛情と、外の世界を知らない欣也が見せる

残酷な一面にゾクッとしたり、美少女・紋白の強引さに笑ったり。

マリーが語る自分の因果話での、地獄の底から響くような

復讐の恐ろしい笑い声が、未だに耳について離れない (;´Д`)

パン一男性陣のラインダンス、レーザーラモンさんのような

黒ビキニローマ軍兵士やら、シャンソン、三味線、

蝶の舞う欣也の部屋、背景の原爆のキノコ雲を思わせるような画像…

気が付いたら見世物小屋的な寺山修司さんの世界にすっかりはまる。



後からプログラムを読んで知ったのですが、欣也の着ている服に

付けられたレースはパリのアンティークマーケットで売られていた

十九世紀のもの、だとか、マリーが最後のシーンで着ているドレスは

東海道にある古着屋さんをめぐって買い求めた”疋田鹿の子”の

長襦袢である、とか、衣装の質感というものは、

三階席の客席まで届くものなので、手が抜けない、という、

衣装担当のワダエミさんの話が興味深かった。

赤の長襦袢というものは体で稼いでいる人たちが着るもので、

お金持ちのお嬢さんや奥さんといった人達はえんじやセージ色、

ピンクや白等のものを着用するらしい。





ラストには「犬神家の一族」のスケキヨのような、白仮面をつけた

キャストまで登場し、アングラ感あふれる終わり方だった。

対談記事の中の、60年代の演劇が熱かった頃の話が面白かった。

タイムマシンがあったら美輪さんがいた頃の銀巴里と、

劇団天井桟敷の公演に行ってみたいな。

今度ずっと気になっている劇団唐組公演に行ってみようと思う。