3月16日(水)赤坂ACTシアター18:30開演の
作者、三島由紀夫さんのパネル
<タイムテーブル>
作 : 三島由紀夫
演出 : 宮本亜門
<キャスト>
鈴木亮平 ジャヤ・ヴァルマン七世王
倉科カナ 第二王妃
中村 中 第一王妃
吉沢 亮 石工のちに若棟梁
大野いと 村娘
神保悟志 宰相
鳳 蘭 王太后 他
芋洗坂係長、澤田育子、市川勇、市川しんぺー、長江英和、
赤星満、BO Ratha、Chumvan Sodhachivy、Chap Chamroeun Tola、
Chy Lina、Khon Chan Sithyka、Khon Chansina
<あらすじ>
カンボジア最強の王として現代にも語り継がれる、
ジャヤ・ヴァルマン七世。栄華を極めた偉大な王が
今もなお圧倒的な存在感を誇るバイヨン寺院を建設していく
雄大なロマンをアンコール王朝の衰亡を背景に描いた壮大な物語。
王の肉体が病魔に侵され崩れさるにしたがい、威容な観世音菩薩が
完成していく様を、王の精神と肉体の対比で華麗に描く。
舞台が客席に張り出した六角形の舞台だった。
床の色が赤みがかった土色でカンボジアっぽい感じ。
冒頭の神への祈り?祈祷の言葉が
聞いた事もないような言葉で、エキゾチックだった。
衣装の豪華さに加え、影絵や民族舞踊も楽しめて、
”ルックJTB、カンボジアの歴史と文化を訪ねる旅”気分♪
すでにこの舞台を観た方々が絶賛していた鈴木亮平さんの
鍛え上げられた肉体美。日本人離れした胸板がすごかった!
立ち姿も威厳に満ちていて、本当に美しい王でした。
ライ王というのは、王の名前かと思ったら、ライ病(ハンセン氏病)の
王という意味だったのですね。美しかった自慢の息子が病に侵され、
そんな息子の姿を見続けるのはつらい、と宰相と組んで
一度は殺害しようとする母・王太后。なんというひどい母 (>_<)
プライドの高い第一王妃を演じる中村中さんも迫力があった。
陰謀うずまく王宮内で、倉科カナさん演じる第二王妃の
優しさと献身的な介護に癒された。
王が神殿に祀られている不老不死の蛇神の娘・ナーガを
呼び出すシーンは黒魔術のように怪しく、恐ろしかった。
ナーガに嫉妬して乗り込んでくる第一王妃が、「今夜からは
あなたを離さない。いつまでも若い蛇神の娘になってあなたを…
私がナーガです。私がナーガになります」と言って神殿の焔の中に
身投げする壮絶なシーンは悪夢。夜うなされるかと思った(;´Д`)
肉体の崩壊に伴い、着々と完成していく寺院建築。
死にかけた王の元へ現れる、若き日の輝くように
美しかった頃の王。精神と肉体の対話がなんだか仏教的だった。
マチネで観た「ETERNAL CHIKAMATSU」を演出された
デヴィッド・ルヴォーさんが魅了された、という
三島由紀夫さんの世界を少しですが感じることができたかも。
とても魅力的な戯曲だった。
現在のライ王のテラスの遺跡画像が掲載されている記事↓
http://picasaweb.google.com/102495663967719819420/CAkhmD?gsessionid=DdLSeG7sZICRcfkDpW7PSg
こちらライ王のレプリカ像だそうです。