10月7日(水)銀座博品館劇場13:30開演の

「天の赦すところ」を観に行きました。




作・演出・作曲:大日琳太郎


<出演>


大田翔、井坂俊哉、大山大輔、富田沙緒里、

藤間琇瀧、 若柳梅京 大立目弘、 角岳史、

小野寺博、佐藤瑛利子、前田侑太郎、

若松大二郎 福松子平、宮園純子、高橋元太郎


<演奏>


若生智彦 ロバート・リン 荒川洋 海野幹雄 石坂亥士





<あらすじ>


伊達政宗の長男で、宇和島藩初代藩主になった

秀宗を主人公にした時代劇。

幼くして豊臣家の養子となった秀宗は、長男でありながら

家督を継がせられなかった。鬱積した不満は、重臣山家清兵衛の

殺害という惨劇をひき起こしてしまい、父政宗は激怒し秀宗に

勘当を言い渡す。しかし、母の形見の香木が、秀宗の心の傷を癒し、

父子はやがて和解の時を迎えるのであった。



<タイムテーブル>








大日座さんは、去年、闇に葬られた東北の歴史に

光を当てた「花山寺」という舞台を観て感動した劇団で、

今年は宇和島伊達400年祭の特別公演という事で

伊達正宗と、宇和島を治めた息子・秀宗の父子の物語だった

異ジャンルで活躍するキャストと、洋楽・邦楽・舞踊をコラボさせた舞台。

今年は「水戸黄門」でうっかり八兵衛を演じられていた

高橋元太郎さんや、宮園純子さん、映画でも活躍されている

井坂俊哉さんも出演してさらなる化学反応が楽しめました。

着物を着なれている役者さんだけでなく、若手のキャストも

着物を着た所作が美しく、大河ドラマで見るような、武士達の

座り方、立ち方、刀さばき、でテンションが上がりました。





前回公演で一番びっくりした角さん。今回も演技が

上手すぎて役者さんにしか見えなかった。

台詞に歌舞伎役者さんのような抑揚があって聞いていて

耳に心地良いので、もっと台詞が聞きたかった。

富田さん演じるおたあが秀宗にロザリオを渡し、その後

秀宗が窮地に立たされるシーンでは、先日ゲキ×シネで観た

劇団☆新感線の「SHIROH」を思い出してしまった。

富田さんのソプラノ、優しくてまろやかで大好き。





大田君は、戦国の世人質に出され、宇和島十万石を

与えられたが、仙台で六十二万石を与えられた弟の事をねたみ、

父の正宗への憎しみがしだいに増幅されていく、という難しい

役どころだった。厳しい表情の中、時折ふと見せる

寂しそうな表情から親の愛に飢えた秀宗の想いを

感じる事ができました。父・正宗との和解シーンでは、

険しかった表情が徐々に和らいでいき、正宗への

積年の恨みがとけていくところはもらい泣き(T_T)

歌もあったので、演技も歌も両方楽しめて大満足。





大山さん登場シーンは、ラスボス登場のような迫力と

周囲の空気の流れが変わるほどのインパクトがあり、

秀宗への愛と謝罪の言葉が、とても説得力があった。

低重音響くめちゃくちゃ良い声での台詞、歌と続き

脳内に振動する骨伝導状態。すごかった。

今回の父と子の愛憎劇も、ドラマティックで、

感動の舞台でした。