10月3日(土)東京芸術劇場13時開演の
「CHESS THE MUSICAL」を観に行きました。
<タイムテーブル>
公演プログラムは1500円。
劇中歌「One Night in Bangkok」の歌詞
ちなみに一緒に歌うコーナーはありません。
作曲 : ベニー・アンダーソン/ビョルン・ウルヴァース(ABBA)
案・作詞 : ティム・ライス
演出・訳詞 : 荻田浩一
音楽監督 : 島健
<出演>
安蘭けい 石井一孝 田代万里生 中川晃教 AKANE LIV
戸井勝海 天野朋子 池谷京子 角川裕明、高原紳輔
田村雄一 遠山裕介 ひのあらた 横関咲栄 大野幸人
<あらすじ>
舞台は米ソの冷戦時代。イタリアのメラーノでチェスの世界一を決める
選手権が開催される。時の世界チャンピオンはアメリカ合衆国の
フレディ(中川晃教)。傍らには、彼のセコンドを務めるフローレンス
(安蘭けい)がいる。対戦相手はソビエト連邦のアナトリー(石井一孝)。
チェスの天才フレディはフローレンスの忠告もむなしく、記者会見で
対戦相手を罵り、記者達から非難をあびせられる。天才チャンピオンの
成功と孤独に苦しむフレディ。一方、アナトリーは共産主義の
ソビエト連邦という国家を背負ってチェスをプレイすることの
重圧に苦しんでいた。競技場には、彼らの世界を冷徹に支配する
アービター(田代万里生)が待つ。精神的に追いつめられた
フレディは試合を放棄、それによりアナトリーが不戦勝で
新たな世界チャンピオンとなる。葛藤の中で、敵味方で
あるはずなのに恋に落ちてしまうフローレンスとアナトリー。
しかしアナトリーには故郷に残してきた妻と子供がいた。
フローレンスは 1956年のハンガリー動乱で親を失くした孤独な身の上だ。
アナトリーは亡命を決意する。1年後、再びチェスの世界選手権がタイの
バンコクで開催される。世界チャンピオンであるアナトリーは出場者として
フローレンスと共にこの国に来ていた。そしてこの地に、テレビ業界に
転身したフレディ、アナトリーの妻スヴェトラーナ(AKANE LIV)も現れる。
試合を前に KGB(旧ソ連国家保安委員会)、CIA(米国諜報機関)の
思惑も交錯する。 彼らの人生はどのような軌跡を描いていくのか……
すべてを賭したゲームが始まる。
オケが舞台の下手半分を占領していてビックリ。
出演者の皆さんが「難曲」とコメントしている通り、
音程の高低が激しくて、複雑な旋律だった。
だからこそ生演奏でなくては歌いにくいのかも。
指揮者がキャストの動きを見ながら
演奏の出だしを合わせている様子がとても興味深かった。
最初に出てきたのが大野幸人さん。白黒衣裳を見て
「マイ・フェア・レディ」を思い出し、そういえば全キャスト発表に
なっていたわ、と全然関係ない事を思い出してしまった。
久々に見る大野さんのダンス、美しくてうっとり。
重力など無いかのような軽やかな動きだった。
大野さん作・演出・出演の公演「CSB in 京都」を
東京でもやってほしい、と切に願う(T_T)
アービターのような役をやる万里生君を見たのは初めてだった。
歌う楽曲とテノールの声が合っていて素晴らしかった。
白手袋をはめた手の動きが綺麗だったが、終始背筋ピーンで
審判という役柄からか中立で感情のぶれがないところから
途中からアンドロイドのように見えて来てしまったのだが。
いつか一家に一台、好きな役者さんそっくりのアンドロイドが
オーダーメイドで作れて、歌も歌ってくれたら
いいのにな、としばし客席で妄想してしまいました(-_-;)
フレディをかばう、安蘭けいさん演じるフローレンス。
落ち着いた様子でそれに耳をかたむけるアナトリー。
お互いが惹かれあう瞬間、二人がひときわ高く歌い上げ、
その後曲調もガラっと変わるところがとても良かった。
役の感情に合わせてメロディの雰囲気も変わるので
ストーリーに感情移入しやすい。
戸井さんはこの舞台でもダンディーだった。そもそも
ダンディじゃない戸井さんを舞台で見たことがないな。
田村雄一さんがにこやかに笑いながら、コミカルな
振付けをしているところは初めて見る新鮮な光景だった。
レミゼ工場長の記憶がまだ強く残っているものだから。
AKANE LIVさん、夫が亡命して子供ととり残される
スヴェトラーナ役。不安げな表情が切なかった。
歌っているキャストに気をとられながら、大野さんのダンスを
見たり、遠山さん演じるカメラマンが、戸井さん演じる
政府関係者に撮影場所から追い払われ、
しまいにはカメラを没収されたりしている
シーンもありで、あちこち見るのが忙しかった。
一幕最後の石井さんが歌う♪Anthemは鳥肌もの。
オーケストラの迫力も迫ってきてオペラを見ているようだった。
アッキーの圧巻の歌声で、脳内が活性化した。
♪One Night in Bangkokは大好きで学生時代よく聴いたけれど、
当時はこれがミュージカルの為に作られた歌だという事など
露知らず…当時のPVをあらためて見てみたらチェスをする
シーンが映っていたので、おおお(@_@)だった。
二幕のエピローグでの♪Anthemでは劇場の壁を突き抜けるかと
思うほどのアッキー高音歌い上げで感動のラストだった。