8月13日(木)オーチャードホール13時開演の
音楽劇「青い種子は太陽のなかにある」を観に行きました。
ネタバレありますのでお気を付け下さい。




作 : 寺山修司
演出 : 蜷川幸雄
音楽 : 松任谷正隆
振付 : 前田清実、辻本知彦、佐野あい

出演 : 亀梨和也、高畑充希、六平直政、マルシア、
戸川昌子、大石継太、渡辺真起子、花菜、山谷初男、鳥山昌克、
つまみ枝豆、辻本知彦、外山誠二、冨岡 弘、妹尾正文、塚本幸男、
新川將人、下総源太朗、澤魁士、駒木根隆介、野辺富三、野澤健、
ミスター・ブッタマン、手打隆盛、松田慎也、永野拓也、西嶋友哉、
中西晶、市川夏江、羽子田洋子、エミ・エレオノーラ、加藤弓美子、
笹野鈴々音、小澤美和、内田亜希子、吉田玲菜、舩山智香子、
石瀬みづほ、山田麻里名、瓜谷はるみ、前原麻希、中村貴裕、
上野俊彦、柴崎吉織、塩崎知道、中村宗人、内田貴、木村孝蔵


<ミュージシャン>
伊藤修平(チェロ)、加藤久幸(ドラム)、北川淳人(ベース)
黒田晃年(ギター)、神佐澄人(キーボード)、
伊勢賢治(サックス/パーカッション)

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上演時間 1幕 75分  <休憩:20分>
        2幕 45分  <休憩:15分>
       3幕 50分   合計3時間25分



<あらすじ>

1963年夏、浮浪者や夜の女たちが集うスラムに近代建築の
アパートが建設され始める。 ガス水道完備の文化住宅に
スラムの人間たちを住まわせるという市役所の計画だ。
スラムで出会った工員の〈賢治〉と深夜レストハウスの
ウェイトレスの〈弓子〉は 一日のうちに夕暮れの
ひとときしか逢うことができない。
ある日、アパートの建築現場で朝鮮人の作業員が
足場から転落して死亡。現場監督や市役所の人間たちは
その死体をアパートの土台のコンクリートに埋め込んでしまう。
その現場を目撃した賢治は警察や人権擁護委員会に
訴えかけるが誰も相手にしない。
死体が埋められた場所に賢治はチョークで太陽のマークを記し、
弓子に約束の言葉をささやく。「靑い種子は太陽のなかにある」─。
真実を明らかにすることに心を捕われる賢治と、幸せな結婚を夢見る
弓子との溝が次第に深まっていく。苦悩する賢治が選んだ道とは…


公演プログラムは2000円


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寺山修司さんの作品はアンダーグラウンドの
独特な世界が訳が分からないながらもクセになるとは言え、
3時間半の上演時間と聞いて集中力が続くか不安だったけれど、
松任谷正隆さんの音楽でミュージカルっぽく親しみやすくなっていた。
スラム街は、ゆるやかな八百屋舞台。「ジーザス・クライスト・
スーパースター」の荒野のような埃っぽい雰囲気。
キリストとマリアのような扮装のキャスト発見。
着ぐるみ犬も発見。「冬眠する熊に添い寝してごらん」の犬?
グラマラスな相撲取りがなんだか妙にエロティック。
気味の悪いオブジェが並ぶ中、スラムの住人達が登場して踊り出すと
見世物小屋のようでゴチャゴチャしてカオスっぽい。
つまみ枝豆さんは髪型のせいでなかなか見つからず…
辻本さんは女装がセクシー過ぎて途中まで分からなかった。
上半身裸のボディビルダー軍団の鍛え上げられた肉体美がすごっ!
澤魁士さん、おなじみの芋虫のような緑の物体を
鼻からブラブラさせて登場。( ´艸`)





自分の不始末で火事を出してしまった
彌平役の六平直政さんが、自責の念をかかえながら、
昔の様子を語るシーンは見ていてつらかった。
♪あたしはマリーで、マリーが歌う横で、
パン一姿で踊る辻本さん。しなやかなダンスに
みとれてしまった。ラストの花ちゃん役として
ビキニ姿で踊るダンスも官能的で素敵だったわ~(´∀`)





亀梨君はブルージーンズにジージャン姿でさっそうと登場。
思いきり昭和なファッションでも、ジャニーズの
方が着ると最新ファッションのようになるのね。
感情が高まって激しく訴えるところのセリフは、
若干聞き取りにくい部分はあるものの、素敵な歌声だった。
マリー役の花菜さんの、ソロナンバーは圧巻!
ソウルフルな歌声に一聴惚れしてしまった。
イイ男を物色しに、父親について建設中のアパートを
視察中、賢治に遭遇。カルメンのように、
賢治を官能的に誘惑するマリー。誘惑に負け、
マリーを後ろから抱きしめ、その首すじに唇をはわせる
賢治だったが、ふと我に返り、彼女をつきとばし逃げ去る。
花菜さん自由奔放なお嬢様。パリス・ヒルトンぽい。
退廃的だけど魅力的なマリーだった。カルメン役で見てみたいな。






高畑充希ちゃんの弓子はピュアで天使のようだった。
真実を明らかにすることで頭がいっぱいの賢治を
不安そうに見つめる弓子。切なかった。
賢治とのデュエットは声が合っていてすごく良かった。
サリー役のマルシアさんの♪子守唄もジーンときた。
三味線の伴奏の中、おりん役の戸川昌子さんが唄う
♪日招きが心に響く。考えさせられる話だったな~
自分の信念の為に、皆の幸せを犠牲に出来るのか…
ストプレだったら重くてたえられないテーマだったかも。
半分は予想通り、半分は想定外なラストだった。
歌詞も良かったけれど、松任谷さんの楽曲がブルースや
ロマンティックなバラード等多彩で素晴らしかった。
全体的に女声陣の歌声が際立っていた舞台でした。





音楽劇「青い種子は太陽のなかにある」