3月18日(水)シアターコクーン13時開演の

ミュージカル「タイタニック」を観に行きました。

ネタバレありますのでお気を付けください。






作詞・作曲 : モーリー・イェストン
演出 : トム・サザーランド


<出演&配役>


加藤和樹: アンドリュース(設計士)
鈴木綜馬: イスメイ(オーナー)
藤岡正明: バレット(機関士)
戸井勝海: ピットマン(三等航海士)/エッチス (一等客の客室係)
佐藤隆紀(LE VELVETS): チャールズ・クラーク(二等客)
津田英佑: マードック(一等航海士)
古川雄大: ジム・ファレル(三等客)
入野自由: フリート(見張り役)
矢崎 広: ベルボーイ/ハートリー(バンドマスター)
上口耕平: ブライド(通信士)
小野田龍之介: ライトーラー(二等航海士)
栗原英雄: エドガー・ビーン(二等客)

シルビア・グラブ: アリス・ビーン(二等客)
未来優希: キャロライン・ネビル(二等客)
則松亜海: ケイト・マクゴーワン(三等客)
菊地美香: ケイト・マーフィー(三等客)
関谷春子: ケイト・ムリンズ(三等客)

安寿ミラ: アイダ・ストラウス(一等客)
佐山陽規: イシドール・ストラウス(一等客)
光枝明彦: スミス船長



<タイムテーブル>


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<あらすじ>


自分たちを待ち受ける運命を知らず、三等客の移民たちは

アメリカでのより良い暮らしを夢見て、また、公民権を

与えられたばかりの二等客たちは富と名声を手にした

人生を望み、一等の富裕層は輝きに満ちた自分たちの

世界が永久に続くことを願うのだった。

登場するのは、実際に乗船した実在の人物たちで、

彼等が胸に抱いていた夢や希望がテーマとなっている。



公演プログラムは2000円。
出演者グッズ&プログラム売り場と、公演プログラムのみの

売り場とで分かれていたので、並ばずに購入できて助かりました。



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劇中で歌われるミュージカルナンバーの数の多さにビックリ。


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開演前に加藤和樹さんが舞台の上で船の設計をしていました。

二階建て舞台で、二階は船の甲板のような作りになっており

舞台奥の壁に星空が映し出されると、本当に

船に乗船しているような気分になりました。

荷物を運ぶシーンでは、客席通路を行ったり来たりする

キャストが間近に見れて、臨場感たっぷり。

歌は、ソロで歌うシーンも多いのですが、皆で歌うシーンが

他のミュージカルでは見られないくらい多く、「レ・ミゼラブル」で

いうなら♪一日の終わりに、のようなド迫力な歌が

たくさん使われているような感じ。歌がどれもすごく良かった。





一人何役もこなし、船員だと思ったら、いつの間にか

一等客のお客さんになっていたり、三等客のお客さんに

なっていたりと、早着替えにビックリし通しでした。

戸井さんの客室係は所作が美しくて素敵だった。

鈴木綜馬さんの歌を聴くのは久しぶり。

イスメイのスピードにとりつかれ、伝説を作りたいという

安全を無視した思想が怖かった。綜馬さんの

ミステリアスな雰囲気と目力にすいこまれそうになる。

「サンセット大通り」でも、またお二人が見れると思うと楽しみ。






藤岡君のソロナンバーがたくさんあって、嬉しかった≧(´▽`)≦

歌の音域が広くて、あらためて藤岡君の歌唱力はすごいなと実感。

通信士のブライドと歌うデュエットが優しいメロディで聞き惚れた。

彼女にメッセージを送りたい、と頼みに来るが、機関士の

バレットにはその金額はとても払える額ではなく、うなだれながら

引き返そうとするが、ブライドが、社員割引にすると言って

無料でメッセージを送ると言った時の、バレットの嬉しそうな顔が

忘れられない。藤岡君のめまぐるしく変わる表情が好きだわ~

バレットは顔がすすけて汚れている場面が多いのですが、

乗船客になるときには、あっという間に顔がきれいになっていて、

マジックのようだった。裏ではどんな感じになっているのだろう…







古川君は三等客になっても高貴な雰囲気がただよっていた。

上口耕平君のダンスが見たかったけれど、歌の方がたくさん

聴けたので大満足。孤独な通信士。だけど、通信の仕事で

世界中のたくさんの人とつながることが出来て嬉しいって…

なんだかさみしい役(T_T)船が沈みかけているとき、

必死にSOS信号を送っている時の表情ももう…(T_T)







矢崎広さんのベルボーイとバンドマスター、素敵だった。

ベルボーイでは14歳の設定だったけど、違和感がなかった。

タイタニック号に乗っていたベルボーイ達は皆15歳にも

満たない少年達だったというから胸が痛くなった。

一等客にあこがれ、上昇志向の強い二等客・アリス役の

シルビアさん。シルビアさん演じる、底抜けに明るくて

物怖じしない性格の役は大好き。

未来さん演じる上流階級の娘・キャロラインと、佐藤さん

演じるチャールズの身分違いの恋も素敵だった。

でも一番心打たれたのは、安寿さんと佐山さん演じる

ストラウス夫妻のラストシーン。夫人は救命ボートに乗るのを

拒否し、夫と静かに死を受け入れるシーンが泣けた(T_T)

そんな夫婦に、高級ワインを振る舞いに来た、一等客

客室係のエッチスも粋なこときわまりない。






沈没する船から女性陣が救命ボートに乗るシーンは

客席通路から退場するのですが、ちょうど通路側の席だったので、

はける女優さん方の顔を見ていたら、皆本当に泣いていて

その涙を見たら、自分までもらい泣きしてしまいました。

沈没間際の混乱と修羅場の中、たくさんの感情が、

入り混じり、その後にくる静寂と、亡くなった乗客や

船員達のセリフの数々が胸にグッときました。

感動の舞台でした。