3月4日(水)白寿ホール12:30開演の

「二期会オペラ研修所第58期マスタークラス終了試演会」

多田羅迪夫クラスの回 を聴きに行きました。

上演時間は途中休憩をはさみ、約3時間。





<出演>


ソプラノ : 阿部伊吹、石川友貴、上野さゆり、神戸薫子、

       田中紗代、田村きの、新井田美香、西山友里恵、

       古沢綾乃、水守千穂美、矢次美香、山田理沙、和田しほり

メゾソプラノ : 達本友李、野田千恵子、藤田彩歌、前山依加、松藤夢路

テノール : 大田 翔

バリトン : 小林 涼


賛助出演 : 児玉和弘(テノール)、水船桂太郎(テノール)、

         塩入功司(バリトン)



<演目>

1. V.ベッリーニ作曲『夢遊病の女』 第1幕より
2. G.ロッシーニ作曲『タンクレーディ』 第2幕より
3. C.グノー作曲『ロメオとジュリエット』 第4幕フィナーレより
4. J.マスネ作曲『マノン』 第3幕より
5. G.ヴェルディ作曲『椿姫』 第2幕より
6. R.レオンカヴァッロ作曲『道化師』 第1幕より
7. P.マスカーニ作曲『カヴァレリア・ルスティカーナ』 より
8. G.プッチーニ作曲『トスカ』 第1幕より
9. R.シュトラウス作曲『アラベッラ』 第2幕より




 

《休憩》
10. G.ドニゼッティ作曲『ランメルモールのルチア』 第2幕より
11. V.ベッリーニ作曲『ノルマ』 第1幕より
12. G.ドニゼッティ作曲『ドン・パスクァーレ』 第1幕より
13. G.ドニゼッティ作曲『ドン・パスクァーレ』 第3幕より
14. V.ベッリーニ作曲『カプレーティ家とモンテッキ家』 第2幕より
15. C.グノー作曲『ロメオとジュリエット』 第4幕フィナーレより
16. G.ヴェルディ作曲『イル・トロヴァトーレ』 第4幕より
17. G.ヴェルディ作曲『アイーダ』 第4幕より



 


<配役>






オペラ研修所の試演会は初めて観ましたが、衣装も小道具も

本格的なのでビックリしました。セットなどの家具は、

シーンに合わせて出演者の方々が運んだり片づけたり

するのですね。そして通常のコンサートとは違い、

卒業試験も兼ねているということを後で知りました。

先日観た文化庁の、「新進芸術家育成事業 オペラアリア・

コンサート」のように、一人一人が歌う歌披露の会なのかと

思っていましたが、オペラの一シーンを切り取って、

演じながら見せる形式だった。字幕は舞台奥の壁に映し出されました。






一幕では1曲目に大田くんと田中さん。「夢遊病の女」

なんていう題名の歌劇があることすら知らなかった。

アミーナ役の田中さんとエルヴィーノ役の大田君の左手の

薬指に指輪がはめられていたので、二人は夫婦の役なのだな、

と分かった。衣装だけでなく、こんなところにも細かい設定が…

アミーナの浮気を疑うエルヴィーノ。疑惑のまなざしを

アミーナに向け、問い詰める。(実際にはセリフでなく歌なのですが)

信じてほしい、懇願するアミーナとの歌の掛け合いは

迫力があり、聴きごたえ満点だった。






3曲目のロミオとジュリエットでは、初夜のベッドシーンだった。

ロミオ役の大田くんは、白いシャツの前を少しはだけて登場。

ジュリエット役の西山さんと、長椅子に座り、布をかけてスタンバイ。

「もう朝だ、ひばりが鳴いている」「いいえ、あれはナイチンゲール」

私の大好きなこのシーン!オペラの歌で聴くのもまた格別。

オペラということもあるのか、キャストのせいか、ミュージカルの

「ロミオとジュリエット」よりもアダルティーな感じだった。

キスシーンも多く、つかの間の逢瀬に高まる

二人の気持ちが伝わってきて切なくなった。

最後はロミオが、客席通路に下りて、そのまま退場。

シアターコクーンかさいたま芸術劇場にいるような錯覚に陥る。

二幕でもジュリエット役を変えて同じシーンを演じた大田君。

男性が少ないから忙しそうだ。情熱的で素敵なロミオだった(´∀`)







字幕を見ていると、オペラって浮気、嫉妬、疑惑、裏切りなど、

昼ドラ感たっぷりの内容なんだな、と思いました。

今回、大田君以外知っている出演者がいなかったことと、

半分くらい聞いたこともないようなオペラだったので、

私には少しハードルが高かったような気もしますが、

研修所の生徒さん、といっても、みなさん既にオペラや

コンサートでご活躍されているので、歌声は素晴らしく、

賛助出演の児玉さん、水船さん、塩入さんと、ベテラン勢の

歌声も聴けて、ぜいたくな公演でした。

今後はさらにたくさんの舞台に出演されるであろう

出演者の皆さんの今後の活躍が楽しみです(*^_^*)