3月2日(月)赤坂BLITZ19時開演の
鶴瓶のスジナシ舞台版を観に行きました。
休憩なしの約2時間。
初日の佐藤浩市さんの回を観てまいりました。
鶴瓶のスジナシとは・・・.
スタジオに組まれたセットを舞台に、鶴瓶さんとゲストの
二人だけで、事前の打ち合わせも全くなく、全てアドリブだけで
演じるエチュード芝居。終わりのタイミングも決められていない。
ナビゲーターの中井美穂さんが「OKです」と言うまで
続けなければならない。観る側はもちろんだが、
演じているふたりも先の展開がどうなるか
まったく読めない。二人の役者が、どう仕掛けていくか、
どう受け答えていくか、という駆け引きがスリリング。
ドラマ的展開の楽しみに加えて、格闘技のような
組み合いの面白さもある。ドラマが終わった後に、
その映像を見ながら反省会が行われる。
エチュード芝居をやっている最中、ふたりが何を考えていたのか。
どういうつもりで攻めたのか受けたのか。
演じたふたりの解説トークで、さらにドラマが面白くなる。
1998年10月から2014年6月まで放送していた
人気番組でしたが今回舞台版で3日だけ復活。
ロビーのお花
舞台の様子はライブビューイングで、全国17ヶ所の映画館で上映。
最初の中継は赤坂BLITZ前のスケートリンクから。
スケートリンクで滑っていた鶴瓶さんと、中継していた中井さんが
会場内に入り、本番中は笑ったり、音を立ててはいけないが、
本番後の反省会時は大いに笑ってください、という注意と、
スジナシについての説明などあり、ようやく佐藤浩市さんが登場。
佐藤浩市さんは、完成披露試写会の登壇では
見たことがあるものの舞台の方は出演されない方なので、
生演技を観るのは初めて。この日の衣装は、ジーンズに
グレーのTシャツ、ブルーのシャツ、黒いレザーのジャケットとシンプル。
どんなシチュエーションでも対応できるような恰好で、と
三谷幸喜さんからアドバイスをもらったらしく、無難な衣装でした。
前から3列目だったのでよく見えて嬉しかった~ ≧(´▽`)≦
だんだんお父さんに似てくるわ~とじっくり見つめてしまった。
今回舞台には出演しない佐藤浩市さんが、なぜこの舞台の
出演オファーを受けたのかというと、以前鶴瓶さんと会った時、
「スジナシ、出してくださいよ~」と言ったことがあり、今回
オファーがあった時に、そう言ったのを思い出して、OKしたとの事。
まさか舞台版だとは思わなかったとも言っていました。
実際にお客さんの前に出て、中井さんと鶴瓶さんの説明を
聞いているうちに、だんだん緊張感が高まってきたらしく、
一点を見つめ、いろいろと考えをまとめているようでした。
途中好きなところで効果音を入れられる係りをお客さんの
中から募集。最前列の女性が立候補。
音は、犬、猫の鳴き声、女性の悲鳴、パトカーの音、銃声、
皿の割れる音、拍手、歓声などさまざま。
セットはショーパブの楽屋。板つき(最初から舞台にいる人)が鶴瓶さん。
後から入ってくるのが佐藤さん、という設定。あとは行き当たりばったり。
蝶ネクタイにスーツ姿の鶴瓶さんに、「チェリーさん、まだいたの?」
と、声をかけ、お仲間さんという設定にすべく、入室してきた佐藤さんに、
鶴瓶さんはそこはふれずに、オーナーという設定で返す。
その後、佐藤さん、何度か自分のペースに引き込もうとセリフを言うも、
ことごとく鶴瓶さんにスルーされ、終始鶴瓶さんのペース。
佐藤さんは鶴瓶さんが投げたボールは、スルーせずに、
すべてきちんと返していて、苦しそうでしたが、お芝居が
とどこおることなく、自然な流れになっていたのはさすがだった。
だんだん見えてきた設定は、佐藤浩市さんは、”さくらいしょう”、
という芸名で、舞台専門のお笑い芸人。舞台でやるギャグが
ことごとくテレビに出演する芸人達にパクられ、パクった
芸人たちが皆ブレイクしていく。それを苦々しく思ったオーナーが
さくらいしょうに、テレビに出演するようにアドバイスする、という話。
鶴瓶さんが、あらかじめ宮藤官九郎さんと、中井貴一さんに
リサーチした話によると、佐藤浩市さんは、攻めても大丈夫なので
攻めろ、と教えてもらったとのことで、いつになく激しく攻めて
舞台の流れは完全に、鶴瓶さんが支配してた。
鶴瓶さん「お前のギャク、全部盗まれているやん、ほら、何やったっけ?
ダメよ、ダメ、ダメ、とか、そんなのカンケーねー、とか、ラッスンゴレライ、
あったかいんだからぁ~、とか…どんなんやったっけ?」と佐藤さんに
やらせようとする。そのたびにえ?と動揺して目が泳ぐ佐藤さん。
笑いをこらえるのが大変だった。♪あったかいんだからぁ~は、
振付け付きで、歌わされていました (≧▽≦)
そんなのカンケーねーは、「アレンジしていて、違うんですよね」
と言って手をグーではなく、パーに開いてやっていました(笑)
鶴瓶さん、「前の名前何やったっけ?」
佐藤さん 「ごてんばいちろうです」 速攻で考えたにしては
ありそうな芸名で、鶴瓶さん、飲んでいたビールを吹き出していた。
鶴瓶さん「テレビに出演すればもっと出演料が増えるのに」
佐藤さん「テレビに出たら芸能人にも会えるんですかね」
鶴瓶さん「誰か会いたい人がいるの?」
佐藤さん「吉田照美さん」
とか、佐藤浩市さん、テレビを見ない芸人、という設定に瞬時に反応し、
受け答えが地味にリアルで、すごいアドリブの応酬だった。
最終的に、鶴瓶さんに「新しいネタ、考えなあかん」と言われ、
激しく動揺する佐藤さん。「でもまだ完成形じゃないし…」という
反論もむなしく鶴瓶さんの猛攻撃に負け、しぶしぶ即興一発ギャグ披露。
舞台の段差を使って、階段を上る~下りる~と3段ほどの
階段を上り下りしていましたが、鶴瓶さんにもうひとひねり、
と言われ、やけくそ気味で、♪一つとばして階段上がる~
一段づつ階段下りる~と、上り下りしたあと、やりきった感のドヤ顔。
ここで、中井さんの終了の合図が入りました。17分間のお芝居でした。
撮った演技を再び見る反省会では、鶴瓶さんのムチャぶりに
佐藤さんの、困った表情や、ビックリした表情、悩む表情等、
ドアップで見ることができて、そこへ鶴瓶師匠の絶妙な
ツッコミが入り、大爆笑だった。笑いすぎて頬が痛くなってしまった。
はにかんだ笑顔やさわやかな笑顔も素敵で、
普段テレビではめったに見れないような無防備な素の表情を、
たくさん見ることができて貴重な舞台でした。
題名は観客から募集。「パクられ屋」に決まりました。
事前の説明が約30分。準備10分。お芝居が17分。反省会が1時間。
そして佐藤浩市さんのギャグを見ることができて楽しい舞台だった(笑)



