1月31日(土)東京国際フォーラム ホールC

17時開演の「ボンベイ・ドリームス」を観に行きました。

ネタバレありますのでお気を付け下さい。

上演時間は、休憩時間、カテコもすべて入れると

約3時間でした。





作曲:A.R.ラフマーン(映画「ムトゥ 踊るマハラジャ」

    「スラムドッグ$ミリオネア」) 
作詞:ドン・ブラック 
脚本:ミーラ・サイアル 
原案:シェーカル・カプール&アンドリュー・ロイド=ウェバー 
演出・訳詞:荻田浩一 
音楽監督 玉麻尚一 
振付:原田薫・梅棒 


<出演>


浦井健治/すみれ 加藤和樹/朝海ひかる
久野綾希子 安崎求 阿部裕 川久保拓司 ひのあらた 

小松拓也 五大輝一 高谷あゆみ 原田薫 高田亜矢子 

碓井菜央 唐澤裕香 中川和泉 伊藤今人(梅棒) 

梅澤裕介(梅棒) 鶴野輝一(梅棒) 塩野拓矢(梅棒) 

櫻井竜彦(梅棒) 楢木和也(梅棒)




<あらすじ>

主人公のアカーシュ(浦井健治)はボリウッドの映画スターを夢見る青年。
彼の住むボンベイのスラム街は、再開発で一斉撤去の危機にある。
それを回避しようと弁護士のヴィクラム(加藤和樹)が彼らの元を訪ね、

スラム街住人を勇気づけるが、 アカーシュと幼馴染の

スウィーティ(川久保拓司)の対応は冷ややかだ。
そんな中、スウィーティは女性を食い物にする美女コンテストの会場で

抗議活動をする計画をたてる。 それを聞いたアカーシュは

テレビ出演できるチャンスと、一緒に現場へ。
コンテストはスウィーティたちによって滅茶苦茶に。
一方、アカーシュは、その会場で映画監督を目指す

プリヤ(すみれ)に出会い一目ぼれ。
そして混乱の中、撮影に来ていたTVカメラの前で、

絶好のチャンスと歌い踊りだすのだった。
その放送を観ていたプリヤの父で映画プロデューサーの

マダン(安崎求)はアカーシュを気に入り、 映画出演を

させることを決める。相手は大スターのラニ[朝海ひかる)。
チャンスを掴んだアカーシュは一躍人気者になり、

スターへの道を駆け上がっていくのだが、
そこには、大きな代償が待っていた…。




キンキラキンの公演プログラム。1500円です。




幕が上がるとインド~!(≧▽≦)

インド映画にはまったことのあるのでこの世界観はたまらない!

衣裳もまばゆいばかりの輝き方で、キンキラキン。

群舞でのダンスも圧巻で、メロディを聴いているだけで

体が勝手にリズムをとってしまいそうなほどノリノリ ≧(´▽`)≦

浦井君のアカーシュの美しさったら!

片手逆立ちダンスにビックリ。透明感のある伸びやかな歌声と、

熱のこもった演技にひきこまれました。浦井君アカーシュにピッタリ。





安崎求さんのムーンウォークが見れた!

阿部裕さんの裏社会の帝王的迫力とオーラがすごい。

すみれさんの聴くたびにパワーアップしていく歌声。

朝海ひかるさん演じるラニの、ショービジネス界で、

長年生き抜いてきたしたたかさと華やかさと大女優感が他を圧倒。

スウィーティ―役の川久保さんは、人生初のオカマ役

だったそうですが、違和感なく自然にかわいかった ( ´艸`)

アカーシュに対する想いは一番強かったような気がする。

加藤和樹さん、後半の豹変ぶりが激しくてビックリしました。

殺人を犯したものの、罪の意識で眠れず、

目だけがギラギラ光り、おびえるような表情を見せ、

言動があぶない人になっていました。

いずれは、ストレートプレイの猟奇殺人者のような

特殊な役も演じてほしいな、と今日観て思いました。






一度聴いてクセになった♪Chaiyya Chaiyyaは二幕冒頭。

https://www.youtube.com/watch?x-yt-cl=85114404&v=GcWjdVq21Ac&x-yt-ts=1422579428

あのミステリアスな出だしと神秘的な雰囲気はそのままに…

でもあちらのPVを聴きすぎたせいか、日本語での歌に

若干違和感。でもオペラと違ってミュージカルは日本語に

訳されて上演するところが良いところではあるのですが。

何度も再演するうちにきっと耳になじんでくるのでしょう。

久野さんの歌声が、あちらの、お経のような怪しげな

歌声に一番近かったような気がします。

劇中ショーがたくさんあるのですが、ピタリとそろった

キレッキレのダンスに目が釘付け!原田薫さんに

注目して観てしまいました。すごかった~≧(´▽`)≦ 

バラード系の何曲かは、アンドリュー=ロイド=ウェバー

さんっぽいな、と思いましたが、他は作曲家を知らずに

観ていたら、全く分からなかったと思います。






歌って踊って、ただ華やかなだけでなく、アカーシュが、

地位と名声と引き換えに失ったものの大きさに気づき、

人間的に成長してく様子だったり、”カースト”という言葉は

出てこないものの、スラム街で育ったアカーシュと、

プリヤの身分違いの恋が盛り込まれていて、

けっこう奥が深い話。ラストの、土地の再開発で立ち退きを

せまられる貧民街を救おうとアカーシュが戻るシーンで、

後を追ってきたプリヤに、アカーシュが、「来たんだ」

(原語でYou came)と声をかけるところがありますが、

その一言には、”カーストを超えて、自分自身が生きていた

世界とは異なる世界へ、足を踏み入れるヒロインに対して

言う歓迎の言葉”なのだそうで、この一言には

アカーシュの複雑な感情と、インド社会のかかえる

闇の部分等、深い意味がこめられているのだそうです。






カーテンコールの♪Shakaraka Babyは、座ったままキャストと

一緒に振付けですが、事前に振付を憶えてきたお客さんが

少なくて、初日はまだ舞台上のノリと、客席サイドでは

温度差があったような気がします。きっと上演回を重ねるごとに

一緒に振付をするお客さんが増えていき、千穐楽になる頃は

客席全体に広がり、楽しいものになると思われます。

原田薫さんと梅棒さんの振付は最高!

これぞエンターテイメントの真骨頂、という感じで、

娯楽を追求した豪華絢爛な舞台でした。

そして♪Chaiyya Chaiyyaがしばらく耳について離れそうにありません。