12月17日(水)パルコ劇場14時開演の
「海をゆく者」を観に行きました。
撤収されていて、お花の一部しか残っていなかった。
作 : コナー・マクファーソン
訳 : 小田島恒志
演出 : 栗山民 也
出演 : 小日向文世 吉田鋼太郎 浅野和之 大谷亮介 平田 満
<あらすじ>
アイルランド、ダブリン北部。海沿いの町にある古びた家に、
若くはない兄弟が二人で暮らしている。兄のリチャード(吉田鋼太郎)は
大酒のみで、最近、目が不自由になり、その世話のために
戻ってきたという弟のシャーキー(平田満)は、酒癖の悪さで
多くのものを失い、今は禁酒中。陽気で解放的な性格のリチャードは、
クリスマス・イヴも朝から近所の友人アイヴァン(浅野和之)と
飲んだくれ、シャーキーが顔を合わせたくないであろう男
ニッキー(大谷亮介)を「クリスマスだから」とカードに誘って
シャーキーを怒らせる。しかしニッキーが連れてきた
見知らぬ男ロックハート(小日向文世)こそが、シャーキーが
最も会いたくない、会ってはいけない人物だった。
カードゲームを通して浮かび上がる男たちの人生ドラマ。
ポーカーフェイスに隠された男たちの秘密とは…。
<タイムテーブル>
公演プログラムは…えーと…いくらだったっけ?
1500円くらい?
この日は夢の最前列センター。演劇ではめったに
最前列がこないので前日からテンション上がった~
でもタバコを吸うシーンが多かったので、とても煙かった。
そして目の前のソファーにキャストが座ると、白い粉が飛び
むせ返りそうだった。墨汁のような匂いだったな~
何の粉だったんだろう…吉田鋼太郎さんは、
くわえ煙草をしながらセリフを言っていましたが、
よく咳込まないな~と思ってしまいました。
そしてまた飲んだくれの役だった。
吉田鋼太郎さんのくたびれた役はたまらない…
目が見えない役なので、テーブルや椅子にぶつかったり
転んだり、危なかった。青あざが出来そう… (>_<)
トランプゲームでは、相手の表情や様子をうかがい、
腹のさぐり合いが続き、金額がどんどん吊り上がるにつれて
見ている方も一緒に参加しているような気分になり、
勝負の行方にハラハラしました。
吉田鋼太郎さんのリチャードはすべてにおいて豪快。
トランプでは目が見えないので、友人のアイヴァンと
二人で組んでゲームに参加。二人のやりとりが面白かった。
浅野さんはメガネをどこかに置き忘れて、ほとんど前が
見えない役。そろそろと小刻みに歩く様子が、
「抜け目のない未亡人」の時のロザーウラの亡夫の弟の
ヨボヨボじいさん役を思い出して大笑いだった。
小日向文世さん演じるロックハートが、シャーキーに
壁ドンするシーンは恐ろしい意味が含まれていて…
ロックハートがシャーキーと二人きりになるシーンは
背筋がゾクゾクしました。シャーキーとリチャードが兄弟喧嘩を
始めた時のロックハートの薄笑いは悪魔そのもの…
シャーキー役の平田満さんが、酒を口にした後は
目つきも口調も声色も変わるし、豹変ぶりが別人のようだった。
アイルランドと、酒と兄弟喧嘩という事で、
「ロンサム・ウェスト」を思い出しましたが、
兄弟の関係という面に関しては、こちらの
「海をゆく者」のラストはほっこりする話でした。
見ごたえある舞台だった。 幸せな時間でした( ´ー`)
公演プログラムのキャストの対談に興味深い話が載っていて、
「語尾でその人の気持ちが表現されているから、言いやすい
ように変えるな」と叩き込まれた。というコメントがありました。
人が無意識のうちにしている事も全て演技のうちなんだな~
と思い、演劇って奥が深いわ~とあらためて思いました。