6月28日(土)新国立劇場 中劇場18:30開演の

「抜目のない未亡人」を観に行きました。

ネタバレがありますので、お気を付け下さい。

上演時間は休憩なしの1時間50分。






公演プログラムはB5版で1000円。

シスカンパニーのプログラムはお手頃価格なので助かる。




上演台本・演出:三谷幸喜
原作:カルロ・ゴルドーニ


<出演>

大竹しのぶ 段田安則 岡本健一 木村佳乃 中川晃教 高橋克実 
浅野和之 八嶋智人 峯村リエ 遠山俊也 春海四方 小野武彦


<楽士達>

坂本弘道、園田容子、佐々木憲




<あらすじ>

映画の祭典「ヴェネツィア国際映画祭」で賑わう

現代のヴェネツィア。金持ちで高齢の夫を看取ったばかりの

未亡人・ロザーウラ・デ・ビゾニュ―ジ(大竹しのぶ)は元女優。

今度こそ、自分と年相応の再婚相手を見つけ、

女優復帰も果たしたいと考えていた。
そんな彼女に、イタリア(段田安則)、フランス(岡本健一)、

スペイン(高橋克実)、イギリス(中川晃教)の

映画監督たちから熱烈なアプローチが…

ヴェネツィアの海を見渡すホテルを舞台に、

ホテルの従業員(八嶋智人)を

メッセンジャーにした、かけ引きが始まった!!




最前列は10番目。この日の席は14列下手ブロック。

この日はジャニーズの方、三谷ファミリーの俳優さん方等

も来られていて、客席も豪華でした。





海が見える高級ホテルの中庭という素敵なセットだった。

イタリアの監督は白と緑と赤の服、フランスの監督は

白と青と赤の服、イギリスの監督はグレーの個性的なスーツ

でしたが、ユニオンジャック柄で分かりやすかった。

なぜかスペインの監督は、足ひれをつけて、赤と黄色?の

ボーダーの水着姿。そして自分の事を「拙者(せっしゃ)」という。

八嶋さんはホテルの従業員で、それぞれの監督が

出演オファーする様子をながめながら手助けしたり、

アドバイスしたり…大好きな八嶋さんが近距離で見れて

幸せだった~ ≧(´▽`)≦






この中でひときわ高い声でセリフを言うイギリスの監督、アッキー。

大竹しのぶさん演じる大女優に自分の作品に出演してもらいたく、

熱く語るシーンがすごく説得力があり、もしアッキーが実演販売を

していたら、いらない物でも即買いだな、と思うくらいの熱演だった。

高橋克実さんが面白すぎて、隣の席の女性がツボにはまり

笑いをこらえるのに必死になっていた。

途中からハンカチで口をふさいでいたけど、肩がふるえてた(≧▽≦)

海で泳ぐシーンも、上手から下手へ向かってありえないほど

高速に移動したり、座禅を組んだまま移動したり、もーおかし過ぎ(爆)






大竹しのぶさんと、エージェント役の峯村リエさんとの

やりとりが最高!大竹さんの舞台では、大竹さんと、

心を許せる親しい人との会話のキャッチボールが絶品で大好き。

「ピアフ」での友人、売春婦のトワール役や、「たいこたたいて笛ふいて」

の母親役を演じられた梅沢昌代さんとのやりとりとか…

この舞台の、峯村リエさんとのシーンも、それに匹敵するくらい

小気味良いセリフの掛け合いが楽しくて大笑いでした。






峯村リエさんのマリオネットも面白かった~

昔女優をしていたとのことで、出演したことのある

原始人役での火おこしシーン再現に会場大爆笑。

木村佳乃さんは女優なのに演技がヘタで、ビゾニュ―ジの

妹という役ですが、ノー天気な様子がかわいかった~(´∀`)

仮装パーティーでの妖精の姿が素敵すぎてみとれた。






脚本家で金持ちの爺さん・パンタローネ役の浅野和之さんが

時速3mくらいの速さで(劇中のセリフにありました)

ヨロヨロノロノロと歩く様子に、会場から笑いがおこる。

木村さん演じるエレオノーラと結婚したくて、

「年は離れているが、生殖能力はまだまだ大丈夫」を連発。

「エレオノーラの事を考えるだけで………」という間の後、

ビゾニュ―ジに、「このエロジジイ」とののしられ…(爆)

浅野さんはセンターブロックと上手側ブロックの間の客席通路を使って

入退場するので、この席近くのお客さんは楽しいかも( ´艸`)






各監督の性格と、台本にはそれぞれ、一長一短あり、

どの作品に出演するか悩むロザーウラ・デ・ビゾニュ―ジ。

共演者はベネディクト・カンバーバッジにしましょう、と言われて悩んだり…

一番おかしかったのは、監督が自分の考えた舞台はこんな舞台です、

と紹介するシーンで、ビゾニュージに実際に即興で演じてもらう場面。

「泣いて、笑って、怒って~、スローモーションで~、世界の蜷川!」

という掛け声とともに、しかめっ面をしながら、スローモションで走る

大竹しのぶさんに、腹がよじれるほど笑った。(≧▽≦)

次から蜷川さんのスローモーションシーンを見たら、このシーンの

大竹しのぶさんを思い出して絶対に笑ってしまいそう。どうしよう…






ビゾニュ―ジが、各監督の本音を探るべく、

仮装パーティーで変装して彼らに近づくが、

イギリスの監督には占い師、フランスの監督には

女優志望の女の子、スペインの監督には情熱的なフラメンコダンサー、

イタリアの監督には洗濯女。声も雰囲気も違う大竹さんの

七変化まで楽しめて、大満足。







アッキーの歌も聴けたし、ワン・シチュエーションで

ここまで観客を楽しませて笑わせる作品はなかなかないかも。

恋と仕事の駆け引きもワクワクするし、何より、私にとっては

女優さんの中で一番好きな大竹しのぶさんと、大好きな

演出家、三谷幸喜さん、そしてシス・カンパニーの皆さん他、

実力派、演技派キャストの共演という大好きずくめの舞台で

最高の舞台でした (´∀`) ホント良かったわ~