4月8日(火)東京芸術劇場19時開演の
「酒と涙とジキルとハイド」を観に行きました。
上演時間は休憩なしの1時間45分。
ネタバレ部分がありますので、お気を付け下さい。
作・演出:三谷幸喜
出演 : 片岡愛之助、優香、藤井 隆、迫田孝也
<グッズ>
<あらすじ>
舞台は19世紀末のロンドン。
ジキル博士(片岡愛之助)が開発した新薬は、
人間を善悪二つの人格に分ける画期的な薬、のはずだった。
それを飲んだジキル博士は、別人格のハイド氏に
変身するはずだった。学会発表を明日に控え、
薬がまったく効かないことに気づいたジキル博士。
追いつめられた末、助手プール(迫田孝也)のアイデアで
売れない役者のアンドリュー(藤井 隆)にハイド氏を
演じさせることに。そこへ博士のフィアンセ、イブ(優香)が
あらわれ、秘密を守るための騙し合いが始まる。
三谷版「桜の園」の時も大笑いだったけれど、
今回も上演前のアナウンスから笑わせてくれました。
「携帯電話はお切りになって…」等の注意事項、
最後の方がグダグダになっているし… (≧▽≦)
セットは上手側に煉瓦造りの高い塀があり、その中で
効果音の生演奏あり。センターにはジキル博士の研究室。
何かひらめいた時の「チーン」という音や、階段を下りる時の
効果音等は、映画的だな、と思った。
片岡愛之助さん、黒のタキシードがよくお似合いでダンディ。
「やったぜベイビー」とか「ハレンチ」とかオヤジギャグ満載で
助手のプールから冷たい視線を浴びていて面白かった。
愛之助さんのオネエ言葉は「半沢直樹」以来だった。
ピポットの動きがどことなく歌舞伎のように見えたり、
後ろを振り向く動作等、一つ一つの所作の美しいこと(´∀`)
歌舞伎以外の舞台で愛之助さんを観たのが、「影武者独眼竜」の
伊達家軍師、片倉小十郎役だったので、今回の役どころの
ギャップに驚いた。愛之助さんのコメディも最高でした。
藤井 隆さんの売れない役者役も、大爆笑だった。
ハイドに変わった後、どうふるまって良いか分からず、
「うがーなぐごはいねが~」となまはげ状態。
良い演技をする時のおまじない(誰もつっこまなかったけれど)、
アンドリューのこだわりがあっておかしかった。
ものすごい熱演に汗だくだったけれど、それもセリフの中に
盛り込まれていて、よく出来ているな~と思った。
優香さんの二役に大絶賛!「志村けんのバカ殿様」の優香姫が
好きなので、コメディも楽しみにしていましたが、想像以上に
すごかった。娼婦のルイーザ(この舞台での名前はハイジですが)
髪をふりみだして、(このシーンは歌舞伎の連獅子の動きになる)
ガムをクチャクチャ噛んで、卑猥な言葉を連発しながら
アンドリューを足蹴にし、馬乗りになり、ジキル博士を押し倒して、
やりたい放題(≧▽≦)サイドブロックでしたが、
前から2列目だったので、愛之助さんのたじたじになった表情や、
優香さんの乱れたドレスの裾から見える色っぽい網タイツなどが
チラチラと見えて、それはそれは面白い絵図らでした。
一番ツボにはまったのは、三谷作品の常連でもある
助手のプール役の迫田孝也さん。ビジュアルが、
ノーズシャドウと古代エジプト人のアイメイクのような
不思議な化粧に、「ロード・オブ・ザ・リング」のエルフ族かと
思うような見事な金髪サラサラのロングヘア。
空気が読めなくて、一言多い博士を注意しつつ、
絶妙なタイミングでつっこみや、助け舟を出す敏腕助手。
でも話がこじれてややこしくなると、ほくそ笑みながら、
「面白いな~」と言いながら高みの見物。
たんたんとした口調や、冷静な立ち居振る舞いが、
他のキャストが叫んだり、ドタバタやっている中で、
余計におかしさが際立って大笑いだった。迫田さん最高!
役者が替え玉になり、周囲をだます、という設定は、
三谷さんの映画「マジックアワー」にどことなく似ていた。
なりすまし、騙し合い、勘違い、すれ違いという
三谷ワールド炸裂の、最初から最後まで
笑いが絶える事が無い楽しい作品だった。
大満足だったわ~(´∀`)