7月20日(土)アミューズ・ミュージカル・シアター

12時開演の「風月主」を観に行きました。

ネタバレありますので…と言っても今日が千穐楽なのよね。
上演時間135分。途中15分休憩あり。



日常&観劇日記



<あらすじ>


古代新羅、男性妓生(キーセン)たちが身分の高い女性たちに

喜びを与えて接待をする“ウンル”という場所が存在した。

それぞれの事情を抱え、ウンルに集まった男たち。

それらを、人々は風と月の主(あるじ)、“風月主”と呼んだ。

お客様を満足させなければ、その場で殺されることもある存在の“風月主”。

ウンルで最も人気の高い風月主である “ヨル(熱)”は

残酷な女王、“真善”の絶対的な愛情を受けているが、

彼の心はウンルの同僚であり長年の友人である“サダム”に向かっている。

“真善”は、“ヨル”に権力と天下を約束して入宮を命じるが、

“ヨル”は“サダム”から決して離れはしないと拒絶する。

これを知った“真善”は、“サダム”を脅迫し、遠ざけようとする。

決してかなうことはない思いを抱きながらお互いを愛する

ヨルとサダム、そして真善。 彼らが選んだ運命とは…。



<キャスト>


ヨル役 : イ・ユル、  サダム役 : イ・チャンヨン 他




キーセン達は、風月と呼ばれて、「アイーダ」のゾーザー軍のような

衣装を着て暮らしている。年配のリーダー的存在のキーセンがいて、

風月のしきたりや心得を教えたり、客とのもめごとの仲裁等をしている。

暮らしは大奥やハーレムにありそうな、ねたみや嫉妬などとは無縁そうな

おだやかそうな雰囲気。男子高校生の日常のように、

じゃれあったり、ふざけたりしてリーダーにしかられているし。






ある日女王のお気に入り、ヨルは女王からお呼びがかかり、
部屋に向かう。女王は皮膚病にかかり、全身がただれてしまっている。

それが彼らの仕事だとわかっていても、周りが敵だらけの女王は

ヨルに心のよりどころを求めて彼を求めてしまう日々。

女王は野心家で、女の体を武器にして今の地位にまでのし上がった為、

他の貴族達に軽蔑されて、陰口をたたかれ、孤立していた。







ヨル、立膝をつきながら、「今宵は私が×××するところをお見せしましょうか?

それとも、もう一人別の者を呼んで×××いたしましょうか?もしくは…」

と女王のリクエストを聞き、乗り気でない女王にさらに

私の×××であなたの×××を…泉をわかせてみせましょう…」 と、

表現がまわりくどくて言い方は丁寧だけど、すごい事言ってるよ、

的なセリフで女王をその気にさせた後、「僕は夜の男~♪」と歌って

上半身半裸状態で女王と抱き合った後、、ライトが消え…

これがストレートプレイ、それも大人計画とかだったら

大変な事になっているが、ミュージカルではお決まりのパターンだ。






その下ではキーセン仲間のサダムが「君は夜の男~♪」と

切なげに歌う。でも狂おし気、という程ではなく、寂しげに…

という感じなので、ヨルとサダムの関係が、友情なのか、愛情なのか、

イマイチはっきりしなくて分かりにくかった。

二人は路上で物乞いをしていたが、ヨルが風月に行く事を提案し、

二人で、キーセンを始めるが、仲の良かったヨルが、今では

女王の寵愛を受ける程出世して風月でナンバーワンになっているので、

一人おいてけぼりをくらった、寂しさがあるようにも見えた。






それにしても韓国のミュージカル俳優さんは歌うまさんが多くて、

ヨル役のイ・ユルさんの歌声は素晴らしくてすごい声量。

ロングブレスも後になるにつれて声が大きくなって余裕の歌いっぷり。

女王の足を洗うためにこごんでいても、女王をおんぶして、

体がくの字に曲がっていても変わらない圧倒的な声量で

会場を制圧していた。サダムは切なげに歌うシーンが多かったけど、

やはりこちらも安定した素晴らしい歌声。

風月の年配のリーダー、、ウンジャン役のパク・ソンファンさんも

深みのある声で、今井清隆さんのような歌声だった。






ほどなくして、女王がヨルの子供を妊娠して、ヨルを王として宮廷に

迎い入れることを決定するが、ヨルはそれを拒否。激高した女王は

ヨルと仲の良いサダムを亡き者にして、ヨルの心を自分に向けさせようとする。

サダムは首に刀をつきつけられながら「勘の良いヨルは自分が突然死んだら

女王のせいだと気づき、逆効果になりかねないから、自分の身は自分で

始末をつけるので、まかせてくれ」と進言し、ヨルの元へ向かう。






そして最後の晩、ヨルに読み書きを教えてもらいながら、サダムは

この世界は自分には向かないからここから出ていく、と告白する。

ヨルと言い争いの後、これが女王のさしがねだと気づいたヨルは

サダムとどこか二人でのんびり暮らせる場所に逃げようと提案する。

約束の時間、二人で逃げる為に小舟を用意したヨルの元に、

サダムはあらわれず、死体として発見される。サダムは崖から身を投げたのだ。




日常&観劇日記



邪魔者がいなくなったと喜ぶ女王は、ヨルに王になるよう強要する。

が、サダムを失って抜け殻になったヨルは、どんなに女王が強く求めても

首を縦にはふらず、怒り狂った女王はついにヨルを殺してしまう。

放心状態の女王。だが、二人はあの世で再会をはたし、幸せになる。






王になる事を拒否するという所と、小舟で逃げるという所は

「アイーダ」のようだな、と思いました。衣装もゾーザー軍ぽかったし。

音楽も映画「おくりびと」のテーマ曲のようなやさしいメロディで良かった。

「スリル・ミー」ほど関係性がはっきりしていないけれど、

なんとも物悲しくてせつないストーリーでした。






韓国ミュージカルの定番、カテコでの撮影コーナーは、

センターブロックの観客は総立ちでビデオ、カメラで撮影しまくり。

私は席が遠かったので、観るだけでしたが…




<グッズ>