今日はシアターコクーン13時開演の
「あかいくらやみ~天狗党幻譚~」を観に行きました。
■作、演出 : 長塚圭史
■原 作 : 山田風太郎「魔群の通過」
■出 演 : 小栗旬、小日向文世、白石加代子、原田夏希、小松和重、
古舘寛治、横田栄司、福田転球、武田浩二、駒木根隆介、
斉藤直樹、六本木康弘、木下あかり、後藤海春、中山祐一朗、
伊達暁、長塚圭史、中村まこと、大鷹明良、小野武彦

休憩無しの2時間半。最近このパターンが多い私。
<あらすじ>
第二次対戦直後、大一郎(小栗旬)と奈生子(原田夏希)は
群馬のとある宿屋にたどり着く。作家の葛河(古舘寛治)と
編集者の野口(長塚圭史)もこの宿をおとずれていた。
宿のおかみは不気味な老婆(白石加代子)。
悲惨な末路を遂げた水戸天狗党の怨念がうずまく
この宿屋に4人はしだいに呑みまれていく。
<物語のベースになった天狗党の乱とは…>
元治元年(1864年)水戸藩で、「天保の改革」の思想を基盤にした
尊王攘夷派「天狗党」が、幕府に攘夷の実行を訴える為に挙兵。
当初幕府も表向きは攘夷の実行を約束していたが、頼みのはずの、
水戸藩主の息子、一橋慶喜が「天狗党」討伐の総督になる。それにより、
天狗党は水戸藩内の急激な改革を嫌う保守派、「諸生党」にとらえられ、
肥料用の蔵に閉じ込められ、過酷な扱いを受けた後、352人が斬首される。
その家族までも殺され、首は塩漬けにされ市中にさらされた後、野に捨てられた。
幕府が倒れ、明治になると風向きは真逆に変わり、その流れにのって
処刑をまぬがれた「天狗党」の党首の孫、金次郎は、復讐の鬼と化し、
元諸生党員を手当たり次第に血祭りにあげ、皆殺しにした。
「諸生党」の中心人物であった市川三左衛門は、フランスに亡命する直前に
捕まり、逆さ磔の極刑に処せられ、これをもって報復劇は幕を閉じた。
宿屋に集まった4人が宿の中をさまよう内に、天狗党の亡霊達と出会い
天狗党の乱にまきこまれていきます。大一郎は「天狗党」の一員となり、
奈生子は「諸生党」の中心人物の娘になっている。
この二人の宿に着いてからの情事が元で、
不思議な事に一晩で子供が生まれてしまう。
二人の子供は「天狗党」と「諸生党」、双方の血が混じっている為、
汚れているとして、両方の党員達から狙われる。
セットらしいセットや家具等は無く、舞台の上に巨大な
ターンテーブルのような物があり、その周囲をお堀のような溝がぐるりと囲む。
時々、そのターンテーブルがゆっくりと回る。その上で演技する役者さん達。
ドラマティックなBGMや効果音等ある訳ではなく、殺陣も静か。
よって否が応でもセリフと演技に集中せざるを得ない。
そしてこの日は舞台上でキャストが持っていた生首が、ゴロゴロと転がって
客席に落ちてきて、私の3列ほど右の席の人の足元に、ドーン!!!
ギャー!お化け屋敷!リアル過ぎて怖かった(>_<)
しばらく放置された生首、だいぶたってから、係員のお姉さんが
暗闇の中、前かがみでコソッと歩いてきて、回収していきました。
この天狗党の乱の話を全く知らないままの観劇で、
まずそこからつまづいた。そして話の展開も時空がとびまくって難…
宿屋に戻ったり、幕末に行ったり、横浜に行ったり、
で時系列があちこち行き来して、理解するのが非常に難しかった。
二人の生んだ娘は過去の人が育てて、宿屋のおかみの白石さんと
金次郎役の小日向さんの娘が生んだ子供が大一郎?
この二人は幕末から死なないで、毎夜亡霊達の再現劇につきあっている?
老婆の白石さんの若い頃の役、おゆん(後藤海春)は口にガムテープのような
ものを貼っていて話せない状態になっているし、天狗役の二人の動きは
怪しげだしで、ここだけアングラっぽい?長塚さんの舞台は難しい
それにしても小栗旬君はセリフにも表情にも感情がこもっていて上手いな~
今回は最前列での観劇だったので、旬君をガン見してしまった。
ずっと黒縁のビン底メガネをしていたんですが、、終わる30分位前になると
メガネをはずしたので、お顔をたっぷりとおがませていただきました(〃∇〃)
どちらかというと兵隊の衣装じゃなくて武士の恰好の方が好きなんだけど。
公演プログラム(1800円)の中の旬君。
落ち着いた雰囲気に映っている。
舞台は終始薄暗くて、余計な物はそぎ落とした演出なので、
五感をフル活用しました。気を抜くと置いていかれるので、
集中しなければならなかった
そしてこの忠臣蔵以上にすごい復讐劇で、白虎隊並みに悲惨な話が
あった事を知る事が出来て勉強になった一日でした ( ´ー`)