深く眠っていない気がする
それでいて夢はあまりみない
ただ起きた時かけらのようなものは残っていて
おはようって
こどもに声をかける自分の表情と
内心のセンチメンタリズムの乖離が半端ねえなあといつも思う
静かな流れの水の底静かに腐っていく
日差しに灼かれて朽ちていく枯れ草と乾いた土のうえ
そんな感じだ
ああ、よかった
ひとりだ
抱えている猛毒を撒き散らさずに
消えていけるのだ
剥き出しに溶け出した腕の骨を見る
いつか見た
あなたの骨より
まだ経過生々しい映像
そんな夢
R15指定だわ
なくしたと思ってた
エロスの表出だったらいやだな
暴力や腐敗はそれと表裏一体な気がするから
賢い女はしあわせになれない
私が唯一賢かったのは
自分の愚かさを少しは知っていたこと
親になれない人間だなんて
思い悩むより本能に突き進んだ
こんな親だっていいじゃん
死んでしまうよりいい
適度にハードででもぬるま湯で育って
なにが欲しいかだけははっきりとしていた
遺伝子のいいなりでもいい
おばさんになるって
そこかしこが太くなるから
生きていけるのか不安でたまらなかった
若いころに戻りたいとはさっぱり思わない
いくつかの引き出しも出来た
息を殺すようにモブに徹しても
それくらいで私は倒れない
その図々しさを
もっと愛してやりたい
一生うだうだするんだろうけど
通りすがりのひとに
わかってなんて叫ばない
わかってあげられないのだから
流されていって変質して失って
でも自分の
記憶は、場所は決して
奪われたくないと頑固に言い張るんだ
愚かな女
愚かなおかあちゃん
でも近くから遠くから
ともだちの
こどもたちの
あなたのしあわせを祈ってる
嘘じゃない
それが暴力にならぬよう
注意深く点検しながら
風に向かって胸を張り続ける為に
感傷もうまいこと飼いならしておくのだ