つくづく冬が好きらしいと
毎年気づく私でも
うっかり春に降参してしまうのは
桜が吹雪になる終わりの頃だ。
風の強くふく春のその日には
平日だろうがなんだろうが正直
桜並木でじっとしたい
むしろこたつもほしい。
桜並木だったか桃の花の下だったか
赤ちゃんを拾った泥棒が
赤ちゃんの瞳いっぱいに映る花びらを見て
号泣する童話を思い出しながら歩いた
学校で仕事で
ああやばいと思っていたら
とうとう胃になんかできて
高熱が下がらない
まだ全部終わってないのに
食べられなくて一気に痩せていく私に
こどもたちは反抗期そっちのけでやさしくて
おかゆとつぶしたいちごミルクやすりりんごを作ってくれた
食べられないのが悔しすぎて
胃痛にのたうちながら食す。
食べられれば元気になる
長島元監督が言っていたような。
近所のご家族
数年前の雪の日に息子達と雪像大作を作り上げてマブダチになった青年は
お父さんになっておおらかでかわいい奥さんとの間に
かわいいお子さんが生まれて
もう婆モード。
家族全体で可愛くて悶えている。
その子がお泊りに来る約束があったから
祭りじゃーっ!!ってなってて。
延期すべきところだったけど
清々しいほど熱が下がっていく
家族みながちいさな子大好きという点で一致している為
ばらばらが一気に収束していく
ちいさなひとのパワーはものすごい。
誰も喧嘩しない、寝不足だった娘も
あっという間に部屋を片付け
みながちいさな王子さまに集中し
寝相も著しく良くなる。
私はまだ食べられないけれど
せめてちゃんとご飯をつくる
こどもたちがあんなふうに
いろんなふうに
可愛かったこと
大人は何度も思い出し
こどもたちは
あんな風に私達がメロメロだってことを
思い出してくれたらいいな
王子様を連れて
お城に連れ帰る桜並木
お別れに泣いてくれる瞬間から
早くも王子様ロス
子どもたちは
お城でたっぷりと遊んで帰ってきた
明日からまた
自分のことで精一杯に戦わなくちゃいけないけど
夜泣きされても踏んづけられても
やさしくお世話して
それを楽しんでる
お金に換えられないそのじぶんの尊い価値を
どうか
忘れないでねと(そのうちくしょばば位は言ってもいいから)
母は祈っています。





