「ワザ」というなんてチンケなものではない。
Twinkle Snow Powdery Snowのサビの歌詞。韻の踏み方が神がかり的。
それは自らもラップの世界で活躍、perfumeの火付け役の一人とも言われる宇多丸氏も絶賛だ。
キミの輝き 甘い囁き
僕のため息は つきたりないほど
空の明かり 眩しい光
宝石箱みたい
と、続くところ。
「i-ki」「ka-ri」の韻が、スピード感に乗って心地よい。つーか、ノリ過ぎ。富士Qドドンパ並だ。
そういえば新曲もかなり韻を踏んでいる。
刺激的 ほら素敵
緻密に計算されたコトバ。
そこにあるテクノという土台。
そのふたつが絶妙に絡まりあって、現在のperfumeの楽曲は完成されている。
細野晴臣が「love the world」を聴いて一言。
「バグルス、好きだね。。。元ネタがすぐに分かる」と。perfume自体初めて聴いたらしい。
彼にとってはパフュの新曲は新曲でない。
懐かしさの中で聴いているのだ。ワタシ達にとって新しいものであっても。
そして、その「古きよき新しさ」が、perfumeの幅広いファン層の原点であることは周知の事実なのである。
歌詞に話を戻す。
コトバを使いこなすのは簡単なことではない。
ワタシ達は日常的に言葉を使うが、例えば何か嬉しいことがあったとき、
「嬉しい」の一言では表現できないとする。
そういう時は身振りや表情、補足説明などでその「感情」をよりこまやかに表現しようと試みる。
ある程度はそれで相手に伝えることが出来るが、
心に沸きあがった感情をそのまま言葉にするのには限界がある。
コトバも単なるコミュニケーションのツールのひとつでしかないから。
そういうコトバというツールだからこそ、使い方が多種多様なのだ。
繰り返すが、perfumeの歌詞。
その洗練されたコトバの使い方に脱帽である。
コトバひとつひとつの意味を汲み取らせるというよりも、
連続的に使用された弾力的で効果的な使い方。
その中で、Puppy loveのように物語的なシチュエーションを持たせる技術。
それがperfumeの裏地を支えていることに、もはや異論はない。