世紀末の詩 | 月曜の朝、汽車に乗って

世紀末の詩

愛って、貧しさの中にあると思うんだ。
世の中は、物がどんどん豊かになっていて、

こうやってひとつの物を分け与う機会が少なすぎるんだ。
それこそが本当の、愛なのに。



中学生のハムは父と貧しいふたり暮らし。

裸電球の下、父と子はメザシを譲り合う。


ボクは総理大臣になりたいんです。
この世の中を住み良くしたいんです。
争うことよりも仲良くすることを、
奪うことよりも分け合うことの素晴らしさを、

みんなに伝えたいんです。


新聞配達をしてる中学生ハムの夢。



ハムは乳飲み子の時に捨てられてるのを浮浪者に拾われる。

その夜は満天の星空だった。


父は浮浪者をやめハムを一生懸命育て、

ハムもその恩に報いるような孝行息子に育つ。


ある日、ハムを捨てた政治家が現れ、ハムを引き取ると父に告げる。

父はこの日が来ることを恐れてハムを男として育てたが、

ハムの将来を思い姿を消す。


数日後、ハムは父と過ごしたアパートを訪ねるが、もう何もない。

立ちつくす少女・ハム。


どことも知れない都会の片隅。

再び浮浪者となった父の姿があった。



愛とは時の流れに関連があるんだろう

同じ時を長く過ごし、互いに呼吸をし

それが互いの肉体の細胞に加わる

だから

引き離される時、

血のにじむような肉体の痛みをともなうんだろう








ハローベイビー
もしも僕に会いたいのなら
僕も君に会いたいのさ
きっときっと会いたいのさ



世紀末の詩  第4話 星の王子様 1998年 日本テレビ

羽夢   真柄 佳奈子

父     谷 啓

野亜   竹之内 豊

百瀬   山崎 務