『茶色の朝』
フランク パブロフ:物語
ヴィンセント ギャロ:絵
高橋哲哉:メッセージ
藤本一勇:訳
選挙後にインスタで話題になっていたので読んでみました。
原書はフランスのもので2003年に日本で出版されています。
物語自体はとても短いのですぐ読めます。
日本は今、この物語の何ページ目あたりにいるのだろうか?と思わずにはいられませんでした。
日本語版のオリジナル編集として収録されている、高橋氏のメッセージを読みながら「今月の話か?」と思ってしまいました。
ふと思い出したのは伊坂幸太郎の『魔王』に出てくる
「考えろ、考えろ、マクガイバー」
というセリフです。
なんていうか、結局はそれに収束するんですよね。
知ってたし、わかってるけど
忘れてしまうし、なかなかできてない。
私の場合、一人で考えすぎると良くない。
きちんとアウトプットしろ。
そしてまわりの人と話せ。
高橋氏のメッセージを一部引用します。
“『茶色の朝』は、私たちのだれもがもっている怠慢、臆病、自己保身、他者への無関心といった日常的な態度の積み重ねが、ファシズムや全体主義を成立させる重要な要因であることを、じつにみごとに描き出してくれています。”
ほんとそうなんですよ。そして一つ付け加えたいのが、
「忙しさ」です。
「面倒くさいからやりたくない」と
「忙しくて余裕がない」は、ちょっと違う。
物語に出てくる「俺」とシャルリーは
ビストロでゆっくりコーヒーを飲んだり
2~3時間ちびちびやりながらトランプをする予定を立てていたりと
あまり忙しそうにはみえません。
まぁ、そうみえないというだけで、彼らだって忙しくないとは言えませんが。
しかし、日本語版が発行された2003年と比べても、2026年現在、現代人はより忙しくなったように思います。
長時間労働は相変わらず問題になっているし
リモートワークで逆に労働時間が増えた人もいたり
副業が推奨されたり
少子高齢化による人手不足など。
労働と切り離した趣味にしても、SNSの種類や情報量は桁違いです。
と、まぁなにかと忙しいと、
時間をかけてあれこれ考えるのが煩わしくなります。
忙しいと他者を思いやる余裕がなくなる。だから他者に無関心になる、という悪循環もあると思います。
だからといって流されてはいけないんだけど。
忙しくとも、「ちょっと待って」「おかしくない?」と立ち止まって、流れに抗っていきたいです。