前の記事で身幅が大きい着物について考えたら、うっかり長文を書いてしまったののUP.

先日朗読サイトで聴いていた岡本かの子の文章に「身に合った着物を着てすっと背を伸ばして新茶をすする」爽やかさ、みたいな文章があった。

1・身に合ってない着物は大正・昭和の着物を日常着にしていた皆さんでも着心地良くない。

2・大正・昭和の着物を日常着にしていた皆さんだって別に毎度「身に合った着物」を着ていたわけじゃない。

特に2番。

着付け教師たるうちの母なんか「最近の人はサイズが合ってなくてもなんでも平気で着る!」
と、もう憎々しげに言いますが、着物が日常着でもそんなみんな合った着物着てなかったんじゃないのかね。
そしてサイズが合わなくても着れちゃうのが着物の良いところなんじゃないでしょうかね、元々。

身長157㎝、Mサイズの私がどこかの小さいお婆ちゃんの着ていただろう着物とか、凄く大柄な小料理屋の女将さんの着ていた着物を、どうにかこうにか着られる。
洋服ではそれはできない、着物の素晴らしい特性なんだよね。

着物業界の人はさ、最近の「御誂え」で着物が作れない人達がサイズが合わないのを着ている、って言って馬鹿にしたり怒ったりするの、間違ってると思うよ。
サイズが合わないのをうまく着る、という技が昔にはたくさんあったらしいんだから、そういうことも教えて臨機応変に時代に対応していかないと、みんなますます着物から離れていくよ。
着物があまり好きでない人達がお母さんやお祖母さんの着物を「小さいから」という理由だけで捨てちゃう事が止まらなくなるよ。
(それ、本当に洋服の感覚なんだよね。サイズの合わない洋服はどんなに高級でも「断捨離」です!!ってさ。)
それはほんとうに悲しいことだって、着物に関わる人達こそ気が付いて欲しいよね。

サイズの合わない着物を着る工夫は、私が愛読している着物ブログ「小庵きらく・着物の着方・着物は着やすく無駄なく清潔に」にたくさん載っています。

http://kirakukimono.seesaa.net/