運動って運動以上の何かだよね

妹がなんでわざわざ山梨まで私の事務仕事を手伝いに来てくれたかというと。

母が山ほど柿を持ち帰る手伝いというのもあるけれど、彼女はこの連休明けから久しぶりに外に働きに出ることになり、ゆっくり時間を使えなくなるから、と来てくれたのだった。

激務による鬱で会社に行けなくなって5年引きこもり、再就職した会社も何年かで倒産してしまい、その後は勤めた2つの会社の伝手で編集や校正の下請け仕事をやっていた。
消費税も上がるし蓄えも厳しくなったというのもあるかもしれないが、嫌々でなく「またお勤めに行ってもいいかな」と思える勤め先を「ウォーキング中」に見つけたらしい。

この「ウォーキング中」ってのがイイ。
前にもちょっと書いたのだけど、妹は「軽い運動」で劇的に変わった。

妹はシニカル・冷静・優秀・笑いがちょいとブラックにひねくれているいい味の女性だけど、非常な完璧主義者で基本なんでも１００か０かの人なのだ。
完璧に出来ないことは最初から手出しをしないし、手を出すからには健康を蝕んでも完璧を期したい女「だった」。
鬱を乗り越えた後も一時期「人生を完璧に出来なそうだからもうどうでもいい」という感じが漂って来ていて傍目に心配なときもあった。
それが昨年、ふと気が向いてロングブレス・メソッドを始めてめきめき健康的になって、健康ついでに早朝のウォーキングを始めて、さらにどんどん健康的になった。
お菓子と夜更かしで浮腫んでいた外見がすっきりした以上に、「存在」が健康的になった。
素直に明るくなって・笑いがブラックすぎなくなって・照れで優しさを隠すことがなくなった。
妹を覆っていた変な角質みたいなものがどんどん剥がれて、ゆでたまごみたいなぷるん、とした彼女の良い地がでてきていた。

何がどう作用するのかわからないけど、絶対に運動って体を鍛える以上の何かだ。

再々就職先で楽しく仕事ができますように、職場で愛されますように、疲れすぎない職場でありますように、とロクデナシ美術家の姉は切に祈っているよ。