土曜日はご縁があって東京シティバレエ団の公演に行ってきた。
3部構成でロマンチックからモダンまでたっぷり見せていただいた。
1部 「レ・シルフィード」。
ミハイル・フォーキン振り付けの1909年初演のロマンチックバレエを東京シティバレエの金子利久先生という方が再振り付けしたもの。
スタンダード版との違いは私ごとき素人には解らない。
森の中で空気の妖精と詩人が踊る。
この演目のコールドに知人のお嬢様が出ており、そのご縁で今回の鑑賞になった。
フォンテーヌブロー派の絵のような深く静かな森の描き割りの前で空気の精のシルフィード達が踊る。
バレリーナの皆さん、全員顔ちっちゃくて細長くてマジ本物の妖精みたい。
空気のように軽やかに踊れるということは勢いよく踊るより筋力も修練も必要なので、細い体にどれだけの鍛練を重ねてきたのかと頭が下がる。
でもたくさん妖精は出てもレ・シルフィードって「男のバレエ」って感じ。
詩人は生身で生き生きと踊り、妖精達は空気の精らしく軽やかに儚げに踊るのでどうも詩人役が目立つ構成で、詩人役の踊りを見せるための妖精達、みたいな印象になる。
詩人役の人はこれが当たり役らしいけど、私はあまり男性舞踊家を見つけていないから良し悪しは解らない。
ひたすら空気の精達が山岸凉子の「アラベスク」の世界を体現していて楽しめた。
2部は東京シティの創立者石田種生先生によるコンテンボラリー2題。
ひとつめはショパンの「前奏曲ホ単調」を舞台の上で演奏する横で白装束と黒装束の男女2人が踊る「マイセルフ」。
白の人と黒の人がせめぎあい、「アラベスク」第1部に出てきた「光と影」の躍りのモトネタみたいな印象。
二つ目はシベリウスの「トゥオネラの白鳥」のオーボエの独奏に乗せて黒装束の女性達が蠢くように踊る「挽歌」。
6人の黒ずくめのバレリーナ達は黒い溶岩のよう。
音楽と相まって深く瞑想的な踊り。
2部は絵に描いたようなコンテンボラリーで、バレエというより舞踏のテイストが強かった。
バレエの綺麗さが気恥ずかしい人にはこちらが入りやすいかも。
3部は2004年に45才で急逝した奇才コリオグラファー、ウヴェ・ショルツがベートーベンの交響曲を振り付けた「ベートーベン交響曲第7番」。
4楽章あるのでたっぷり4幕、斜めのストライプが両脇に描かれた大きな背景(モーリス・ルイスなる作家の絵らしい)の前で昔のアメリカSFドラマの宇宙人みたいな銀のジャンプスーツの男女がずらっと並んで器械体操みたいなコミカルな群舞するところから始まった。
ウヴェ・ショルツという人は音楽が視覚的に見えてしまう特殊な感性の人だったらしく、このバレエには筋はなくひたすらダンサーは交響曲の音の1つ1つに成りきる。
よって、音がスタッカートになるところは人がピョコピョコリフトされたり
男性ダンサーがグラン・ジュテで跳んで空中にいる瞬間に一瞬顔だけ客席にピコっと向けてニカッと笑うのを繰り返しながら舞台を横切ったり、思わず
ここは笑うとこですか?Σ( ̄◇ ̄*)
と突っ込みたい場面がたくさん出てきたんだけど、そこを含めて華やかで生き生きとしていて大変楽しいバレエだった。
バレエ見てて真面目に吹くとは思わなかったよ。(笑)
コミカルだったり器械体操みたいだったりしながらも凄い難しいテクニックの踊りなこともちゃんと解った。
大真面目なコミカル、奇妙、ファニーというものの表現上の強さみたいなものを再認識した。
会場大興奮の大喝采、良いものを観ました。
それにしてもコリオグラファーのウヴェがインスパイアされた絵画も衣装もせいぜい70年代までの昔の中途半端なコンテンポラリー、みたいな感じがしちゃって、1991年発表と知ったときには正直ビックリした。
1991年ってこんな、「宇宙家族ロビンソン」みたいだったっけ?(^_^;)
家に帰って妹にこのバレエの説明をしていて、「凄いテクニックなんだけど器械体操テイストやコミカルな感じもあって」と言ったら「ジーン・ケリーみたいな感じ?」と言われて膝を打った。
確かにジーン・ケリーのテイストはある。
振り付けの表現がちょっと古い、でなくてウヴェが1950年代のアメリカ文化のテイストが好きだったという事かも知れない。
バレエって音楽は生のオーケストラだし、3部8幕も観られてS席6000円って、凄くお得な気がした。
今回笑ってしまいつつもウヴェ・ショルツの明るい世界観に惹かれたので、ウヴェの作品をもっと観てみたい気持ちも沸き上がった。
また観にいこう!バレエ。
3部構成でロマンチックからモダンまでたっぷり見せていただいた。
1部 「レ・シルフィード」。
ミハイル・フォーキン振り付けの1909年初演のロマンチックバレエを東京シティバレエの金子利久先生という方が再振り付けしたもの。
スタンダード版との違いは私ごとき素人には解らない。
森の中で空気の妖精と詩人が踊る。
この演目のコールドに知人のお嬢様が出ており、そのご縁で今回の鑑賞になった。
フォンテーヌブロー派の絵のような深く静かな森の描き割りの前で空気の精のシルフィード達が踊る。
バレリーナの皆さん、全員顔ちっちゃくて細長くてマジ本物の妖精みたい。
空気のように軽やかに踊れるということは勢いよく踊るより筋力も修練も必要なので、細い体にどれだけの鍛練を重ねてきたのかと頭が下がる。
でもたくさん妖精は出てもレ・シルフィードって「男のバレエ」って感じ。
詩人は生身で生き生きと踊り、妖精達は空気の精らしく軽やかに儚げに踊るのでどうも詩人役が目立つ構成で、詩人役の踊りを見せるための妖精達、みたいな印象になる。
詩人役の人はこれが当たり役らしいけど、私はあまり男性舞踊家を見つけていないから良し悪しは解らない。
ひたすら空気の精達が山岸凉子の「アラベスク」の世界を体現していて楽しめた。
2部は東京シティの創立者石田種生先生によるコンテンボラリー2題。
ひとつめはショパンの「前奏曲ホ単調」を舞台の上で演奏する横で白装束と黒装束の男女2人が踊る「マイセルフ」。
白の人と黒の人がせめぎあい、「アラベスク」第1部に出てきた「光と影」の躍りのモトネタみたいな印象。
二つ目はシベリウスの「トゥオネラの白鳥」のオーボエの独奏に乗せて黒装束の女性達が蠢くように踊る「挽歌」。
6人の黒ずくめのバレリーナ達は黒い溶岩のよう。
音楽と相まって深く瞑想的な踊り。
2部は絵に描いたようなコンテンボラリーで、バレエというより舞踏のテイストが強かった。
バレエの綺麗さが気恥ずかしい人にはこちらが入りやすいかも。
3部は2004年に45才で急逝した奇才コリオグラファー、ウヴェ・ショルツがベートーベンの交響曲を振り付けた「ベートーベン交響曲第7番」。
4楽章あるのでたっぷり4幕、斜めのストライプが両脇に描かれた大きな背景(モーリス・ルイスなる作家の絵らしい)の前で昔のアメリカSFドラマの宇宙人みたいな銀のジャンプスーツの男女がずらっと並んで器械体操みたいなコミカルな群舞するところから始まった。
ウヴェ・ショルツという人は音楽が視覚的に見えてしまう特殊な感性の人だったらしく、このバレエには筋はなくひたすらダンサーは交響曲の音の1つ1つに成りきる。
よって、音がスタッカートになるところは人がピョコピョコリフトされたり
男性ダンサーがグラン・ジュテで跳んで空中にいる瞬間に一瞬顔だけ客席にピコっと向けてニカッと笑うのを繰り返しながら舞台を横切ったり、思わず
ここは笑うとこですか?Σ( ̄◇ ̄*)
と突っ込みたい場面がたくさん出てきたんだけど、そこを含めて華やかで生き生きとしていて大変楽しいバレエだった。
バレエ見てて真面目に吹くとは思わなかったよ。(笑)
コミカルだったり器械体操みたいだったりしながらも凄い難しいテクニックの踊りなこともちゃんと解った。
大真面目なコミカル、奇妙、ファニーというものの表現上の強さみたいなものを再認識した。
会場大興奮の大喝采、良いものを観ました。
それにしてもコリオグラファーのウヴェがインスパイアされた絵画も衣装もせいぜい70年代までの昔の中途半端なコンテンポラリー、みたいな感じがしちゃって、1991年発表と知ったときには正直ビックリした。
1991年ってこんな、「宇宙家族ロビンソン」みたいだったっけ?(^_^;)
家に帰って妹にこのバレエの説明をしていて、「凄いテクニックなんだけど器械体操テイストやコミカルな感じもあって」と言ったら「ジーン・ケリーみたいな感じ?」と言われて膝を打った。
確かにジーン・ケリーのテイストはある。
振り付けの表現がちょっと古い、でなくてウヴェが1950年代のアメリカ文化のテイストが好きだったという事かも知れない。
バレエって音楽は生のオーケストラだし、3部8幕も観られてS席6000円って、凄くお得な気がした。
今回笑ってしまいつつもウヴェ・ショルツの明るい世界観に惹かれたので、ウヴェの作品をもっと観てみたい気持ちも沸き上がった。
また観にいこう!バレエ。